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「EAT ME Ⅲ~ホワイトデー編~」

「あぁ、やはり思った通りだ…。似合うな、洋平…。」

あの日から、一ヶ月が過ぎた。
恋人同士が愛を深めるという日から、丁度一ヶ月。
今日はその第二弾で、お返しの日というものだ。
銀華はその一ヶ月前から、張り切ってこの日の準備を進めていたのだった。


「マジかよ…、マジでするとは思わなかったぞ俺…。」

洋平は顔を真っ赤にしながら、銀華を恨めしそうに見つめた。
勤務先の花屋から帰宅して、玄関で待っていた銀華が差し出した服を着させられたのだ。


「私は嘘など吐かぬ。」
「それはわかるけど…、こんな格好…っ。」

ピンク色と白色を基調にした、女性ものの服だ。
スカートの裾には純白のレースが施してあり、少しでも動くだけで、脚の辺りに纏わり付く。
大きな丸い襟にも同じレース、その首にはボリュームのあるリボンだ。
おまけに、中途半端なことが嫌いな銀華は、ロングヘアーの鬘まで被れと言って聞かなかった。
それを丁寧に三つ編みにまでして、背の高さを抜きにすると、本当に女性のようだった。
それでも一ヶ月前、了承したのは自分だ。
まさか本当にこのような格好をさせられるとは、今朝家を出るまでは思ってもみなかったけれど。


「本当に…よく似合っている…。」
「…あ!ぎ、銀…っ。」
「どうした?まだ脚に触れただけだが?」
「あ…、ごめ…、なんでもな……っあ!」

スカートの裾から、銀華は手を忍び込ませ、洋平の脚をまさぐった。
やや細めだが、筋肉質なその脚は、弾力性に富んでいて、触れる度に反応して動いている。
もちろん中には女性ものの小さな下着を着けさせられた。
その行為の中で、その下着の中の洋平自身が熱を持ち始めているのに、銀華は気付いてしまったようだ。


「洋平、こちらは…もう限界ではないか。」
「……あ!銀華…ぁっ!」
「苦しそうだな、解放してやった方がよいな。」
「や…っ、やめ…っ、あぁ…っ!」
「やはりな…。嬉しそうに涙まで零れている。」
「はぁ…っ、銀華っ、あ…っ!」

下着を膝までずり下ろされ、自身が勢いよく飛び出した。
完全に勃起したそれの先端は、銀華の言う通り、透明な液で溢れ返っていた。
ただ脚を触られただけでこんなに…。
洋平はこれ以上、我慢などできるわけがなかった。
しかしこんな時、銀華はいつも意地悪をするのだ。


「どうして欲しいのだ。洋平。」
「あ…、それは…っ。」
「どうした。言わぬとわからぬ。」
「あ…、そんな恥ずかしいこと…っ。」

指先でそれをぐりぐりと弄りながら、銀華は妖艶な笑みを浮かべた。
屈辱的なはずなのに、その先を求めて止まない。
涙を溜めながら、洋平は今日も、懇願をした。


「俺を…、俺を、食・べ・て……っVv」(うるうる)

こうして、その日は洋平が美味しく戴かれたのだった。
以前から時々このようにして逆でセックスする二人だったのだが、それ以来、大きく変わったことがあった。

「さぁ洋平、今日はこれを着るのだ。水着というものだ。」
「えぇっ!そんな…!」
「どうした。私は昨日お前の望む通り××しながら××をしたのだ、お前はしてくれぬのか。」
「う…、わ、わかったよ…。」

銀華はすっかりコスチュームプレイにハマってしまったらしい。
何はともあれ、めでたしめでたし。

<終わり>


洋平:な…!!めでたくなんかねーよ!なんだよ「食・べ・て」って!!
銀華:私もこのような変態染みたことはせん!
洋平:俺が女装に三つ編みって!気持ち悪いだろ!!
銀華:………。
洋平:な、何…?どうした銀華…?(嫌な予感)
銀華:いや、案外似合うかも知れぬ。今から着るのだ、洋平。(ちゃっかり準備してた)
洋平:ぎゃあぁ~……!!

「貴方の熱を感じたい」

恋人のことというのは、何に関しても気付くものだ。
隠し事をしている時の疚しい心や、具合が悪いといった身体の変化に至るまで。
自らの全神経は其の人間へと向けられているのだ。
其れは厄介で在りながら、自分だけが味わえる幸福なものだ。

日頃余り病気と言った病気をしない洋平も、この時ばかりは違うのを、銀華は見逃さなかった。
洋平が何時ものように花屋での勤務を終えて、自宅へ戻って来た時のことだった。


「どうしたのだ。」
「え?何?」
「お前の声、何時もと違うな。顔も紅い。」
「…あ~、もしかして。」

どうした、などと白々しいことを言ってみる。
本当は、昨晩熱い契りを交わしている最中から気付いていたと言うのに。
喘ぐ声の掠れ方が何時もと違う音色と言うことも、触れる肌の温度が違うと言うことも。
繋がった箇所の温度が、僅かに高いと言うことも。


「風邪かな…、今流行ってるからなー。」
「熱は有るのか。」
「いや、多分ないと思うけど…測ってないからわかんねーし…。」
「では私が測ってやろう。」

何も知らずに質問に答える洋平の額に手を伸ばす振りをして、銀華はきつく抱き寄せた。
背中に回した手を、瞬時に下部へと移動させる。
腰骨を厭らしくまさぐり、下着の中に手を滑り込ませ、あの熱い双丘の割れ目に指で触れた。


「ぎ、銀華…っ?!」
「どうしたのだ。熱を測ると言っている。」
「や、でもそこはちょっと違…。」
「知らぬか?直腸が一番正確だと言うことを。」
「や、でも体温計あるし…っ!」
「私はその様な機械の値など信じない。あぁそれとも…。」

驚いた洋平の身体が跳ねて、一瞬にして体温が更に上昇していく。
未だ銀華の指はその体内へは入ってはいないというのに、内部からひくつく筋肉の動きで空気が漏れる。
抱き締めたまま、耳朶を甘く噛みながら、銀華は息を洩らすかの様な声で囁いた。


「感じているのか。」

銀華の妖しい微笑みに囚われた洋平は、ゆっくりと目を閉じながら、無言で頷いた。
溜め息を洩らしながら、銀華の細くてしなやかな肩に掴まった。


「汗を流せば、その熱も下がるのではないか?」
「銀…っ、あ…!」
「あぁ、違うな、先程よりも熱くなっているな、お前のここは…。」
「…アッ!銀華…ぁっ!」

今か今かと待ち構えていた洋平の蕾に、銀華は引き寄せられる様にして指を挿し込んだ。
恐ろしい程に食らいついてくる洋平の其処の温度は、自分だけが知っている。
それは永久に下がることなどない、情欲の熱を秘めているのだ。

そして今宵も、其の熱を感じたい。
其れしか生きている意味などないみたいに。

恋とは、厄介で、幸福なもの。

<続く…のかよ…?>

銀華「ほう、此れは何時もと違って真面目だな…。」
洋平「銀っ、感心してんなよっ!」
銀華「どうしたのだ。顔が紅い…。熱を測った方がよいな。」
洋平「い、いいって!!やめ…、あっ、銀華────…っ!」←ホントにやめろ

「淫らで密かな夜」

それは、ある晩のことだった。
いつもは洋平の行為で身体を捩る銀華が、妙なことを言い出した。


「たまには私にも入れさせてはくれぬか。」

薄笑いを浮かべながら、銀華は湿った洋平の後孔に指を挿し込んだ。
洋平は酷く吃驚しながら、銀華を見つめる。
その瞳に吸い込まれるようにして、銀華の指を受け入れた。


「あぁ、凄いなお前の中は…。吸い付いて来る。」
「あ…、銀…っ。」

喘ぎを洩らす洋平の後ろの粘膜が、銀華の指を伸縮しながらくわえ込む。
クチュクチュと嬉しそうな音を響かせて、次々に指を飲み込んでいく。
その厭らしい音は、狭い和室に響き渡り、銀華を興奮させ、洋平を快楽へ導いて行く。


「洋平…、ずっとこうしたかったのだ…。」
「銀、俺も…っ、あ、あぁ…っ!」
「悦いのか?先程よりも私の指に食らい付いて来ている。」
「あ…、いい…っ、銀っ、いい…っ!」

銀華の指は、洋平の体内の温度で、溶けてしまう程だった。
その体内へ、自分も入りたいと思った。
深いところで、洋平と一つになれたら、何時からかそう願ってしまった。
念願叶って洋平は受け入れてくれた。
ならば自分も洋平の願望に応えてやるべきだと思った。
激しく自分を求めて来る、洋平の願いを。


「銀華…っ、銀…っ!」
「洋平、言わぬとわからぬ…っ。」
「あ…、銀華の…、銀華のが欲しい…っ!」
「そうか、では聞いてやる…、その願いを…っ。」

初めてのことに、洋平はきつく目を閉じて待っていた。
無言で頷く洋平の意思を確認すると、銀華は先走りで溢れる自身を挿入した。


「ぅああっ、アアァ────…ッ!!」

やはり無理があったらしい。
狭いそこはいくら解したとしても、大の男の膨張した性器を受け入れるにはきつ過ぎる。
止めようかとも思ったが、ここまで来てやめられる筈もなかった。
洋平も、来てくれと言わんばかりにそこを伸縮させて誘っていたからだ。


「すまぬ…、だがお前も悪いのだ…っ、お前が…っ。」
「うん…っ、銀っ、好きだ…っ、銀になら…っ!」
「そう挑発するからだ…っ。」
「あぁああっ!んんっ、あっ、アァ…ッ!」

やがて何度も出し入れを繰り返すと、洋平は銀華の全てを受け入れた。
慣れたわけではない、ただ、どうしても一つになりたかったのだと思う。
脚を高く持ち上げて、銀華は激しく洋平を揺さ振った。
グチュリグチュリと、淫猥な音が鼓膜まで響いて離れない。
敷かれた布団が、恐ろしい程二人の汗と唾液と愛液で濡れてしまっている。


「…イくっ!、銀っ、もうイっ、アアァ────…ッ!!」
「洋平………っ!!」

二人は、時同じくして、白濁を放った。
こうして、逆の役割にハマってしまった二人は、周りには内緒で、夜な夜な交換して楽しんでいるらしい。


<終わり…いや、多分続く…??>


銀華「何だ此れは───…!!」
洋平「そうだよ、俺がこんな声出すかよ!!書き直せよ!」
銀華「洋平、それはしてみないとわからぬのではないか。」
洋平「えっ、銀華っ?!わぁっ、銀────…っ!」

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