「LOVE MAGIC」-6




「たっだいま〜。」

オレは勢いよく亮平の家の中に飛び込んだ。
よっぽどご機嫌だったらしく、そんなオレの姿を見て亮平は小さく笑った。
好きな人が、自分の傍で笑ってくれてる。
こんなに嬉しいことはない。
これからもそうやって、笑っていけたらいい。


「じゃあオレ風呂入ってくる!」
「あぁ、沸いてるからよ。」

オレはそのいい気分なまま、風呂場へと向かった。
湯船に浸かって、あったまって、ベッドにごろん、と横になった。
なんだか今日一日がけでこんなに疲れちゃったよ。
亮平とほんのちょっと離れただけなのに、オレってこんなにダメになっちゃうんだ…。
こんなに、大好きなんだなぁ…。


「シロ?眠いのか?」

うとうとしかけてたところ、濡れた髪がオレの頬っぺたを掠った。
オレの後に風呂に入った亮平は、石鹸とかシャンプーとかのいい匂いがする。
それだけで、心臓がドクン、と跳ねた。
嫌なやつじゃなくて、触られた時のあれ。
オレってやっぱり、イヤらしいのかな。
心臓はドキドキと早くなって、身体も熱くなる。


「わっ、なんだよ〜。」
「いや、可愛いと思ってだって。」

亮平の指がオレの頬っぺたをつんつんと突いた。
オレは身体はガリガリに痩せてるけど、顔はちょっと丸いっていうか、肉もついてたりする。
まだまだ子供、ってやつだよなぁ…。


「ど、どこが…。」
「可愛いだろ?このぽちゃぽちゃっとした感触がよ。」

うぅ…、そんなこと言われると、褒められてる気になって、自分の欠点まで よくなってきちゃうじゃないか。
それに、よけい熱くなっちゃうだろ。
そんなに突くなよ〜、オレの顔へこむだろ〜。


「あとこの手とか。」
「…あ…っ。」

オレの指を亮平は掴んで、薬指を口に入れてしまった。
濡れた音をたてられて、そこだけを集中的に舐められる。
そこから更にオレの体温は上がっていく。


「亮平…、くすぐった…、ふ…。」
「感じてる、だろ?」
「!!ちが…っ。」
「違うのか?」

ホントは違わない。
亮平もわかってるんだよな?
でもハイそうです、なんて恥ずかしくて言えないよ。
反応でバレてると思うけど。


「…んっ、ん…っ。」
「これでも感じねぇか?」

う〜…、オレの負け。
オレは首を微かに横に振って、もう一度キスされて、そのまま押し倒された。


「あ…、あ…っ、ん…っ。」

パジャマを脱がされて、今度は胸の辺りを指と舌で触られた。
その先端はもう丸く立っている。
亮平の唾液が時々光ってる。
そうされてる身体と、それをする亮平の表情を見てたらもう…。


「シロ、もうこっち、な?」
「んんっ、や…ぁっ、あ…っ。」

下半身に手を伸ばされて、形の変わったそこを亮平の手が撫でる。
先端から染み出した透明な液が、手が動く度に量を増した。
このままじゃオレばっかりになっちゃう…。
オレも亮平に気持ちよくなってもらいたい。


「シロ??」

突然起き上がったオレに、亮平はびっくりしている。
いつもなら、このままオレだけしてもらってるところだから。


「あの、オレ…、オレもしたい…。」
「何を…っ、おいやめろって…っ。」

亮平の下半身にオレは手を伸ばして、触った後、そこに顔を近付けた。
たまにやろうとすると、いっつもやらせてくれない。
オレだってできるんだからな。
どれぐらい好きか、わかってもらいたい。


「やだ、する…、したい、いっぱい触りたい…。」
「気持ち悪ぃならすぐやめろよ?」
「うん!」
「そんなこと元気に答えるなよお前…。」

亮平、ちょっと困ってるみたいだな。
でも嬉しいよ、オレ、こういうの、猫の時は 絶対できなかったから。
オレこの姿になってよかったよ。
そっと口を付けて、ゆっくりと口の中に入れた。
亮平のも、形変わってて、濡れてる。


「……っ。」

オレが口を出し入れする動きに合わせて、亮平の口からは色っぽい声が洩れる。
その顔もカッコいいなんて、ちょっとずるいよな。
それにしても、こんなこと言えないけど、オレの身体の中にこれ、入ってるんだ…。
なんかすご…いよな…。 オレの…中…に…。


「シロ、逆向きになれよ。」
「えっ、なんで?」

ついつい亮平と繋がった時のこと考えて、オレどっか行ってた。
逆ってそれってさぁ…。
亮平が意地悪そうに笑って、言われるままに オレは逆向きになったけど、これじゃ見えちゃうよ。


「お前にもしてやるから。」
「えっ…、ひゃ…ぁ!」

後ろの入り口にあったかいものが入ってきた。
そこ舐められるのやだよ…。
でもダメだ、変になってきちゃって、 やだって逃げれない…。
やじゃないから逃げれないっていうのが正しいかもしれない。


「俺にしてて興奮したんだろ?」
「や…っ、んっ、あ…っ。」

その通りだから、何も言えない。
これじゃもう亮平にできないよ。
気持ちよくって、手も口も動かない。
亮平の長くて細くて綺麗な指も入ってきたのは、見なくても感覚でわかった。
その中を指と舌で掻き回されて、我慢できなくなる。


「りょうへ…、んっ、あ、もう…っ!」
「もうどうした?」

なんでわかってるクセにそんなこと言うんだよー。
それでも好きって、オレおかしいのかな。
ううん、おかしくても、いいや…。
オレのこと全部好きって言ってくれたもんな。


「おねが…、亮平の…っ、お願い…っ。」

きっとオレの顔はぐちゃぐちゃだ。
こんなに泣いて、だらしなく唾液零して。
お願いするのもちゃんとできないぐらい、気持ちよくてどうにかなりそう。


「やっぱ可愛いよお前。」
「────っ!!んん──……っ!」

亮平はまたちょっとだけ笑って、オレの上に向かせると、脚を持ち上げて、 その中に入ってきた。
繋がってる、オレと亮平…。
その場所からひどく濡れた音が、部屋に響いて、その事実を感じることができる。


「あぁっ、や…っ、んん…っ!」
「気持ちいいな、シロ…。」
「うん…っ、オレっ、気持ちい…っ。」
「すっげぇよ、お前ん中。」

多分ホントにオレの中はすごいんだと思う。
こんなすぐに高いところに向かってる。
亮平がオレの名前呼ぶ度に、身体も心もドキドキが止まらない。


「や…、も、出…っ、出ちゃ…っ。」
「そんでやっぱ早いよ、お前…っ。」

しょうがないじゃないか。
こんなに気持ちいいんだもん。
でも亮平も今日はいつもより余裕ない感じ。
もしかしてさっきので、早くなったのかな。
それならいいのに…。


「んっ、好き…、好きだよ…っ、亮平っ。」
「俺もだよ、シロ、いいか…?」

予想通り、亮平も限界だったみたいだ。
オレが頷いて、キスしたのを合図に、激しく身体を揺さ振られた。
それにできるだけ応えるように、オレも動く。


「あっ、やっ、んん─────…っ!!」

オレが放つのと同時に亮平もオレの中で達して、二人でぐったりと倒れ込んだ。






まだ息も整ってないうちに、 亮平がオレの髪を撫でながら言った。
オレの好きなキス付きで。


「シロ、愛してるよ。」

うん、オレも。
オレも亮平を、愛してる。
まだ言葉も出なくて、代わりに濡れた身体に ぎゅっと強くしがみ付いた。









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