「魔法がとけても」-5




「……ぁ‥っ。」

シロの首筋に何度も何度もキスをする。
月明かりの下でもはっきりわかるぐらい、その身体は桜色に染まっていく。


「…‥んっ!」
「ダメ、押さえるなよ。」


シロは自分で自分の口を押さえている。
瞳を閉じて、震えながら。
聞かせろよ。
俺だけを感じてる声。
俺はその細い手首を取って、そこにもキスをする。


「…や…っ…。」

ちょっと触れただけなのに、その反応だ。
女よりよっぽど可愛い。


「イヤ…か?」
「違っ…けど…‥。」
「じゃあ何?」

俺はもう止まらねぇよ。
止まるわけねぇだろ。
好きなお前を目の前にして、止めれるわけねぇだろ。
シロが気に入って着ている俺のパーカーを、一気に首の辺りまで捲り上げる。
小さな小さな、胸の突起に、指でそっと触れた。


「あっ、や…っ。」
「お前…もしかして、初めてする?」

触れる度に、その身体はびくん、と跳ね上がる。
人間で言ったら…17、8ってところか…?


「は…初めて、だと…ダメ、か…?」

真っ赤になって、消えるように小さな声でシロは言う。
もう、たまんねぇよ。 なんだよその顔。


「違う。めちゃめちゃ嬉しい。」

俺はまたキスしながら、そのまま服を脱がせていった。
シロはされるがまま、一糸纏わぬ姿になる。


「恥ずかしい…恥ずかしいっ、亮平…っ。」

シーツの上で縮こまっている。
初めて会った時、自分が全裸だったの、忘れたのか?
俺はなんだか可笑しくなった。
でも、あん時はなんとも思わなかったのに、今こんなに興奮してるなんてな。
欲しい。この身体が、欲しい。
お前が、欲しい。
お前のすべてが、欲しい。
俺だけのものにしたい。


「これも取っていいよな?」

俺がシロの首にはめられたボロボロのピンクの首輪に手を掛けると、シロは頷いてくれて、ゆっくりと外した。
だって、今は俺のものなんだから。
美幸のことは忘れろ、今だけは。


「シロ…綺麗…‥。」

色付いたその身体を見た時、本心からそう思って、無意識にそんな言葉を呟いた。
すぐにその薄い胸に顔を埋めて、舌でその突起を、愛撫する。


「ん…っ!あっ。」

優しく舐めたり、強く噛んだり。
舌先で転がしたりして。丁寧に、時間をかけて。


「こっちも、いいか…?」
「ん…っあっ!」

俺はその下半身の中心に手を伸ばした。
小さなそこは、しなるように綺麗に勃起している。


「もう、濡れてる。」

先走りの透明な液が染み出しているその先端を、指の先で撫でる。


「オ…レ…っ、変なのか?なんでこうなる?」

うっわ…なんだよ、それ。
純情過ぎ。可愛過ぎ。
もうダメだ。
なんか、眩暈してきた。
その表情だけで俺、イきそうだよ。


「これは気持ちいいって証拠なんだって。」
「そ…うなのか…‥あっ!」
「ほら、すげぇ、もうびしょびしょ。」
「言う…なっ、あ、ん…っ。」

掌に包んで扱き始めてから溢れ出た愛液で、滑らかになったそこを擦る。
その濡れた指を、誰も触れられない後ろの秘密の場所へ滑らせた。



「もっと、脚、開いて?気持ちよくするから。」
「あぁ…っ、んん…っ、あ、あ…!」

シロは黙って脚を開くと、俺はその膝を上に持ち上げて、指を増やしてみた。
ひどく濡れそぼった窄まりに、俺の指は飲み込まれてゆく。
中は熱くて、蕩けそうだ。


「もっと…、気持ちいいことしていいか?」

もう俺の下半身も限界だった。
そこに入れて、繋がって、ひとつになりたい。


「亮平の…、したいこと、していい…。」

熱に浮かされながらそんなこと言うから、俺の理性はブッ飛んだ。
こんなセックス、したことねぇ。
俺までおかしくなる。


「お前、可愛い。すっげぇ可愛い。」

俺はシロの潤んだ瞳に吸い込まれそうになりながら、息も出来ないような激しいキスをした後、
シロの脚を大きく上に掲げて、熱くなった自身を捩じ込んだ。


「────っ!!あ、あ、あ──…‥っっ!!」

シロの瞳からボロボロと涙が流れている。


「痛いか?ごめんな。」
「痛…いっ、けど…っ、けど…っ、オレっ、しあ…わせっ、ぁあ…っ!」
「動いてもいいか…?痛くなくなるから。」
「うん…!う、ん…っ!して、気持ちよく…っんっ!」

そんなこと言われたら余計火がついてしまって、俺は締め付けてくる後孔に、出したり入れたりをしてみた。
シロは泣きながら汗で濡れた頭をブンブンと上下に振っている。


「お前、世界一可愛い。」

腰を激しく動かして、シロの中を穿つ。


「お前が世界一、好きだ…っ。」

律動を加えて、俺もシロもイきそうだ。
その情熱を吐き出したくてたまらなくて、出口を求めている。


「亮平…っ、気持ちいっ、だ…いすきっ、あいし…てる…っ!」
「俺も…っ、愛して…っ、る…!」

ベッドが壊れそうなぐらい、シロの身体が折れそうなぐらい、俺は揺さぶり続けた。



“あいしてるよ、せかいいち”



「あっ、りょう…っ、はぁっ、あっん、あ、あぁ──…っ!!」

シロが絶頂に達して飛沫をあげると、すぐに俺も続いてシロの体内に勢いよく放った。






愛してる、ずっと。
たとえお前が猫に戻っても。
そう、魔法が、とけてしまっても。

俺達は一晩中、夢中で愛し合った。







back/next