「ラブホリック・ランドリー」-7
「篤紘さん…、篤紘さん…っ。」
聖くんの情熱的な台詞と、情熱的なキスに、眩暈がしそうなほど痺れている。
そんな風に自分の名前を呼ばれたこともなかったし、こんなに大事にされたこともなかった。
エッチしないっていうのは俺的にはダメダメだと思っていたけれど、
そうじゃないってことが聖くんのお陰でちょっとだけわかりつつあったんだ。
まぁくんにヤキモチなんか妬いて、そうやって暴走気味になるところも…好きだと思う。
「あの…、篤紘さ…っ、ん…！」
「聖くん…っ、もっと…、もっと舌…。」
こうなったら俺も男だ！！
覚悟（？）を決めてその情熱に応えてあげようじゃないの。
自ら激しく舌と唾液を絡めて、このキスをリードしてあげようと思った。
「篤紘さん…。」
「ん…っ、ん…っ？？んんっ？！ちょっと…、ちょっと待ったあぁ───っ！！」
「え…、あの、俺何か…？」
「ダメでしょ！！イキナリそこはないって！！」
キスをしながら、下半身に伸びて来た聖くんの手を掴む。
盛り上がっていたキスもやめて、聖くんに向かって指を差して強く言った。
「段階踏まないと！まずはこっち！！男でも感じるもんは感じるの！！」
「は、はぁ…。」
「そうそこ…っ、あ…っ、お、俺…っ、乳首触られんの弱いの…っ、あぁっ。」
「そ、そうなんですか…、はぁ、男でも…、へぇ…。」
そ、そんな感心してる場合じゃないってば！
もう指で触れられただけで下まで勃っちゃいそうなるんだから。
それぐらい俺、弱いんだよね…、乳首…。
自分から段階がどうのって言ったのに、これ以上されたら…。
「篤紘さん…、舐めた方がいいんでしょうか…。」
「……ん？…ん……っ！聖く…っ、あっ、やぁ…んっ！」
「気持ちいいんですか？俺、もっと頑張りますっ！」
「あっ、聖く…、あぁ…っ、あ…はぁ…っ！」
いいって言う前に舐めてるし！！
どうしよう気持ちいいよ…この快感…、すっごい久し振りだよ…。
男のくせに乳首なんか触られて嬉しいのかって言われたこともあったけど…。
嬉しいに決まってんじゃん！気持ちいいもんは気持ちいいんだよっ！！
「聖くん…っ、あ…、おねが…っ、し、下も…っ！」
「えぇっ！い、いいんでしょうか…？」
「エ…、エッチってそういうもんだか……あぁっ！！」
「篤紘さん…、凄いです…。」
再び聖くんの手を掴んで、今度こそ下半身へと導いた。
キスと乳首への愛撫で興奮してしまった俺のそこは、既に変化をしてしまっていた。
上向きになったそれを、聖くんの大きな掌が優しく包んで、そのまま擦り上げる。
それこそ、俺が一人エッチを見せたのと同じ動きで。
先端からは透明な雫が滴り落ちて、擦る度に濡れた音を発している。
その音だけでも、おかしくなってしまいそう…。
「あ…、気持ちい…、聖くん…もっと…ぉ。」
「こ、こうですか…、えっと…、こんな感じ…。」
「あっ！それいいっ！！やっ、あぁ…んっ！」
「篤紘さん…なんだか凄く濡れています…っ！」
そ、そんな実況中継みたいにリアルタイムで感想なんか言われたの初めてだ…。
また耳元で囁くみたいに言うもんだから、興奮も何倍にもい膨れ上がるってもんで。
色々試してちょうどいい感じを知ってしまった聖くんの手が、止まることを知らないみたいに俺のものを擦り続けた。
「も…、ダメっ、聖く…、あっ、イくっ、イ……っ、あ、あ…ぁんっ！！！」
「あ、篤紘さんっ、すご…、わ、篤紘さんっ？！」
「イ…、イッちゃった…。やーん恥ずかしいー！」
「篤紘さん…！」
聖くんの手の中に、白濁したものを思い切り吐き出してしまった。
これが久し振りなもんだから、濃度も量も凄いことになってるなー…。
なんて、呑気なことは言ってられないんだけど…。
すると突然、聖くんが瞳を潤ませて、俺に抱き付いて来たのだ。
「聖くん…、嬉しいこんな情熱的な抱擁……。」
「俺も嬉しいです…、やっと…、やっと篤紘さんとエッチができて！」
───待て待てえぇーい！！
今君は何と言いましたでしょうか。
エッチと言いましたか、言いましたね？
これをエッチだと…、触ってイったらエッチだって言うんかいっ！！
そんなアホなことあるか───…っ！！（絶叫、ただし心の中だけで）
「せ、聖くん…、あのー…。」
「結婚するまではって思ってたんですけど…、嬉しいものですね…。」
「いや、あの…、あのね、今のは…。」
「篤紘さんが気持ちよくなってくれてよかったです…！！」
ダメだ…！
これはもう強行手段しかないってことだな？！
『知らぬなら、教えてあげよう、初エッチ！！』（決まった！）
力作過ぎる心の俳句を詠んで、決意を固めて俺は聖くんの前で服を全部脱ぎ捨てた。
「聖くんっ、エッチはこれで終わりじゃないからっ！」
「え…、篤紘さん…？！」
「いい？コ・コ！！俺のココに聖くんの大事なもん入れんの！！わかった？！」
「え、そ、そうなんですかっ！！」
「わかったらほらっ、とりあえず指で……あっ！！」
「あ、篤紘さん…、ちょ…、わぁっ！」
全裸になった俺は、聖くんに背（正確には尻）を向けて、その場所を示した。
よくわかっていないのか、きょとんとする聖くんの指を無理矢理そこへ突っ込む。
しかも俺、自分で突っ込ませてしっかり感じてるし…。
ここまでするなんて俺、聖くんのこと本当に好きなんだ…。
「あっ、イイっ、聖くんもっと…っ！」
「あ、篤紘さん、あの、すいませんその…。」
「な、何…っ、あっ、もっと指…っ、指を奥まで…ぇ！」
「こ、ここは…、何か入れるところではないような気がするんですが…。」
冷静になって考えればそうなのかもしれない。
だけど俺は…もうここに入れられるのなんか普通だし、入れられてアンアン言うのが大好きなんだよっ！
それが男を愛する男のケツの素晴らしき宿命ってもんじゃないのか！！
「聖くんっ、男同士のエッチはそういう決まりなの…っ。」
「あの…でも…、篤紘さん苦しそうな気が…。」
「これは喘いでんのっ！！つか、ココ以外にどこに入れるっていうの？！」
「それは…、あぁ、そうですね、な、ないですよね多分…？」
「多分じゃなくてないの！！いいから早くっ、もっと中…っ、あぁっ！！」
「わ、わかりました…！！」
喋りながら、気付いてないんだか知らないんだけど…。
すっごい中で動いてんですけど…聖くんの指…。
もうその内壁を撫でられるだけでもまたイッちゃいそうだよ…。
あぁ……、やっぱり堪らない、この感覚！！
膝から崩れて行きそうな、クラクラして倒れてしまいそうなぐらいの快感の波。
中を弄られるという男としての悦び…。
まさに俺はこのために生まれて来た！！みたいな！！
俺はやっぱりエッチが大好きだ！！
さっきのは
訂正する、エッチなしはダメだ！！
「聖くん…、も…、そろそろ…、聖くんが欲・し・い…っ。」
「あの、もしかして…、俺のを…？」
「そう…、聖くんのその立派なもので俺を突いて…っ！！」
「でも篤紘さん…、は、入るんでしょうか…？」
なぬ？
何本も飲み込んで来たこの俺の大事な部分を見くびるなよ？！
そう思って振り向いた瞬間、言葉を失ってしまいそうになった。
「な……！」
「大丈夫でしょうか…、俺、恥ずかしいんですけど…こんなになってしまって…。」
こ、これは…。
予想していたよりも遥かにデカいぞ？！
大丈夫か俺のケツ！！
だってパンツだけじゃさすがにサイズまではわかんないもんなぁ…。
しかも通常時ならともかく、今の状態なんてさすがの俺でも想像もできないし…。
しかし俺もここでやめるような奴ではないのだ！
一度愛した男のそれを、何があろうと受け入れる、それがホモに生きる男の生き様なんだ！！
「大丈夫！！聖くんは大船に乗った気持ちで！！」
「篤紘さん…、とても頼もしいです…！」
「さぁっ！！早く俺の中へ！！いざ挿入っ！！」
「は、はい…！そんな篤紘さんが…、大好きです…！！」
聖くんの指が抜かれたそこを、自分の指で押し広げるようにして、聖くんのご立派なものが到着するのを待ち構えた。
あぁ…、ずっと焦がれていた聖くんのものが今、俺の中へ───…。
「い…っ！！痛っ、うわあぁっ！ギャアッ！！」
「す、すみませんやっぱり…。」
「いいっ、来てっ、あ…っ、聖くんっ、来て…っ！！」
「篤紘さん…、とても、カッコいいです………っ！」
敵は思ったよりも大物だぞー！
そっちを支えろ、いいか思い切り行くんだ！！
まさに巨大マグロを今釣ろうとしています、緊迫した状況です！
俺の心の中で、船の上で興奮しながら叫ぶ男達の声と、そんな実況中継が聞こえてきそうだった。
「あ───…っ！！…あっ、あぁっ、聖く…っ、釣れたあぁ…っ！！」
「篤紘さん…っ、釣れ…？あの、凄いです、篤紘さんの中っ。」
「うんっ、気持ちよくなってきた…っ、聖くんもっと…、もっと思い切り…っ！」
「あ…、篤紘さんっ、俺っ、俺も気持ちいいです…っ。」
一生懸命聖くんは俺を突いてくれた。
完全に収まったそれが、俺の中でひどく濡れた音を立てながら、出し入れを繰り返す。
まさにピストン運動っていうのはこういうもんだ、なんて感心まで覚えてしまった。
腰の辺りを支えられながら、後ろから激しく突かれて、最初の物凄い圧迫感と痛みなんてすぐになくなった。
後はもう、繋がりながら、同時に果てるのを待つだけだ。
いや、待つなんてこともなく、すぐにでもイきそうな感じだ。
「聖くん…っ、あぁ…んっ、やっ、ダメイくっ、あっ、もうイくっ！」
「篤紘さん…、俺も変です…っ、何かもう出そうです…っ！」
「あ…っ、聖くん…、俺の…っ、俺の中にぃ────…っ！！」
「篤紘さんっ、出る……っ！！」
本当にすぐにイってしまって、床には俺の白濁液が飛び散った。
俺が望んだ通り、聖くんの白濁液は、俺の体内に見事に放出されたのだった。
こうして、記念すべき俺と聖くんのラブラブ初エッチ、は無事（？）終了したのだった。
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