「ベジタブル・ラブバトル」-6
「俺が聞いて電話するっつたのに。」
「仕方ないだろ、俺だって気になったんだ。」
「相変わらず負けず嫌いだな、彩は。」
「お前に言われたくねーよ…。」
そこから逃げるようにして俺たちは向かいの家の大樹の部屋にいた。
ずっと来てなかった、こいつの部屋。
いつの間にかスーパーと一緒に改装しやがって。
今時みたいな立派な部屋になって。
何もかも俺の負けじゃねぇか…もうどうでもいいけど。
「んじゃ、お互いの気持ちも確かめ合ったことだし。な?」
「何がな?だよ、俺まだなんも言ってねーぞ。」
「それは今言わせてやるよ、恥ずかしがりやな彩にはな。」
「何ふざけたこと言っ…、大樹…っ、ん…っ。」
熱い大樹の唇がまた俺の唇に重なった。
この2日間で3回目のキス。
俺の心臓の音…、大樹まで聞こえそうだ。
どうしよう、気持ちいい…。
「…っ、あ、んん…っ。」
そのままベッドに押し倒されて、捲られた服の間に大樹の舌が這う。
胸の先端を甘く噛まれる度に、俺の口からは信じられないような声が洩れる。
これも気持ちいい…。
されるがままに服を全部脱がされ、昨日今日と触れられた下半身に大樹の手が伸びる。
「待て…っ、それやめろよ…っ!」
「なんでだよ、俺、彩にこうするの長年の夢だったんだぜ?感動もんだろ。」
「バカかお前っ、夢とか言うな…っ!」
「まぁまぁ、ちゃんと食ってやるからよ。」
くっそこの変態…。
抵抗もできずに俺のそれは大樹に簡単に咥えられた。
そんなとこ舐めるなんておかしいんじゃねぇか。
でもきっとこんななってる俺はもっとおかしい。
「…っは、大樹…っ、んんっ!」
「毎日キュウリで練習した甲斐あったな。」
「この…、バカやろ…っ、あ、あぁっ!」
「巧いだろ?イイだろ?」
練習なんかする奴があるかってんだ。
毎日なんてバカにも程がある。
でも大樹の過去の変態行為なんて許せるぐらい、俺は快感に酔っていた。
「大樹っ、イくって…っ!」
「ん、いいよ、早く出せよ。」
「嫌だ…っ、あっ、やっ、あ────っ!」
その行為が激しくなった途端、俺はまたその口内に放ってしまった。
こいつの言った通り、巧すぎる…。
いや、誰にもしてもらったことないからよくわかんねぇけど。
「彩、脚開けよ。」
「なんでだよ…。」
「バカだなぁ、お前だけイって終わりか?俺のこれ、可哀想だろ?」
「知らねーよ!勝手に勃ったんだろ!」
大樹が自分の下半身を指差して、俺の脚を持ち上げた。
そんなとこ見せれるか…。そんな恥ずかしい場所…。
お前以外に見せれるわけねぇ。
その場所に大樹の指が入ってくると、俺の身体は異物に反応して大きく跳ね上がった。
「ん、やっぱ狭い。」
「そんなの知るかっ、俺のせいにすん…っ、あっ!あぁっ!」
「ここか?ここがイイのか?彩?」
「知らな…っ、んんっ、ぁあ…っ!」
大樹の指は容赦なく俺に入ってくる。
弱い箇所に当たって、そこを突かれて、俺は初めての感覚に眩暈さえした。
「や…そんなしたらイ…っ、あっ!」
「初めてで?エッチだなお前。」
「どっちが…っ、や、もうホントやめ…っ!」
「じゃあ言えよ、お前の気持ち。」
こんなの卑怯だ。
言わせてやる、なんて、こんな時にかよ。
恥ずかしがりや、なんて、もっと恥ずかしくさせやがって。
このままじゃ、初めてで後ろ弄られてイッた、なんて一生言われるに決まってる。
「わかったよっ、お前が好きだって…!ちくしょうっ…、好きだっつてんだろっ!いいからもうやめ…っ、好きだっ、好きっ、好きだ…ぁっ!」
「情熱的な告白だな、嬉しいよ、彩。」
バカみたいに好きだ好きだ連呼して、大樹は満足気な顔で俺にキスした。
「───いっ、痛…っ!あ!あぁ…っ!」
「息吐いて、ホラ楽にしろ。」
「できるか…っ、あ、やっ、んん───…っ!」
「好きだ、彩。」
同じように大樹に告白されながら、俺の身体は激しく揺さ振られる。
さっき大樹の口から溢れた俺の白濁液で濡らしたその入り口から、
繋がった音がして背中がゾクっとする。
暫くすると痛みは快感に変わり、俺は二度目の放熱を迎えようとしていた。
体内の大樹自身も熱く膨らんでいて、俺はそれを感じると我慢ができなくなった。
「お前はやっぱり野菜より美味いよ…っ。」
「んんっ、いい加減にし…っ、…早く…っ!!」
「わかってるよ…っ。彩…、彩…っ。」
「んあっ、やっ、あっ、ああぁ────っっ!!」
一際甲高い声を上げて、大樹に名前を呼ばれながら俺は達して、その俺の体内には大樹の熱が放たれた。
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