ロザが僕のところのお城に来てから、一週間。
ホントに僕たちの愛の部屋に寝るんだもん。
あれからずっとリゼとえっちしてない。
えっちしたいよ…‥。
リゼ…‥‥。
「…子、王子。」
あぁ、どうしよう。
どうすればいいんだろう。
「王子っ!聞いておりますかっ!」
「わぁっ!何、ファボルト!いきなり叫ばないでよ〜。」
考え込んでいた僕の耳元で、ファボルトが急に大きな声を出した。
「お手紙が届いております。速達だったもので。」
手紙?
しかも速達って??
‥‥…あ!!
「ファボルトっ!早くそれ僕に!」
「うぅむ、しかしですね、そう簡単に開けてもし爆弾など入っていたら…。」
「僕誰かに恨まれる覚えなんかないよ、いいから、もうっ、なんで早く言わないの。」
「ですから先程から呼んでいたじゃありませんか…。」
ブツブツ独り言を呟いているファボルトから、その封筒を奪って、オープナーで開けた。
‥…やったあ!
やっぱり!
「僕出掛けて来る!」
僕はその紙を握りしめて、扉の方へと向かう。
「では今お車の用意を。」
「えぇ〜、やだ。僕一人で行くの。」
「いけません!!あなたは仮にも王子ですよ!何かあったらどうするんですか!
まったく、きちんとご自分の立場というものをですね…‥(以下略)」
あ〜あ、また始まっちゃった。
ファボルトのお説教。
毎回毎回よく言うことあるよね。
大体同じ内容だけどさ。
僕はうわの空でファボルトのお説教を聞いていた。
僕だって街ぐらい一人で行けるのに。
最近お城の敷地内でも結構歩いてるしさ。
それに僕、男なんだから。リゼの夫だもん。
そんな何も出来ない夫なんて愛想尽かされちゃったらやだし。
「も〜う、一人で行けるってば!」
「いけません!!」
「いいの!行くの!」
「王子っ!我儘も大概にしないとですね…‥。」
「僕がついて行くよ。」
扉が開かれて、ロザが現われた。
「僕んとこの付き人つれてくからさ。」
ロザ、なんで?
また邪魔するの?
「ロシュだってたまにはこの家から解放されたいんだよ。ね、お願い。」
ロザは真剣な眼差しと口調でファボルトに訴える。
「何かあったら僕が責任取るから。」
前言撤回。
ロザ、いい子!
さすが僕の従弟だね。
そんなに僕のこと考えてくれてたんだね。
今までの意地悪も許せる気がするよ。
でもリゼは譲れないけど。
「わかりました。ロザ殿がそこまでおっしゃるならば…。」
「やったぁ、じゃ、行ってきま〜す。」
さすがのファボルトも承知してくれたみたいだ。
僕は早速、ロザと一緒に部屋を出る。
ふふふ〜ん。
楽しみだなぁ。
リゼの喜ぶ顔、早く見たいな。
僕はロザとロザのお付きの者達数人と、お城を後にした。