「薔薇色☆お姫様」-4







なんで…‥。
なんでだ??


「…んっ、あ…‥。」

なんで俺、またヤってんだよ!!


「やめっ、ロシュっ、あぁっ!」

しかも何感じてんだよ!
胸の粒を優しく吸われて、喘ぎが洩れる。


「ほんっとに…っ、やめろって…っ。」

胸元のロシュの髪を掴んで離そうとしても、快感が身体を支配し始めていて、力が入らない。


「リゼってば、身体は正直なのにね。」
「え?あ!嘘だろ…っ。」

ズルリとパジャマのズボンが下ろされて、俺の形を変えたそれが露にされた。
恥ずかしい。
男に乳首舐められて、こんなんなって。


「リ、リゼ…、僕っ、な、舐めてもいい…っ?」
「バカっ!やめろっ!」
「えー、なんで?みんなえっちの時やるんじゃないの?」
「お前どんな本読んだんだよ…。」

俺のものを手で包み込んで、ロシュは口を付けようとしている。
まったく…、本読まなきゃセックスも出来ないやつが、余計な知識身につけようとしやがって。


「やだ。やるの!」
「バカっ、やらなくてい…あぁっ!」

俺の、俺のが───!!


「んっ、あ、んん…っ。」

嘘だろ…。 なんでこんな声…。
俺、気持ちよくなってる…?


「リゼ?どう?」
「聞くな…‥よっ、あ…ん…‥。」

唾液や先走り液が、濡れた音をたてて、ロシュに舐められて、俺の意識は朦朧とし始めていた。
気持ちよくなきゃこんな声出るかよ。


「あ…、ぁ…ぁ!」

ダメだ…イきそ…!
俺は熱に浮かされたようにして快感に身を任せようとしていた。


「へぇ〜、リゼって、エッチの時そんな顔するんだぁ。」
「えっ、う、うわあぁぁっ!」
「ロザ!なんでいるのっ?!」

ベッドの横で、ロザが椅子に座って、食い入るようにして俺たちを見ていた。
ロシュが驚いて、口から俺自身を解放して、俺をシーツの中に隠した。


「今頃エッチしてるかなぁ、って思ってね。邪魔しに来ちゃった。」

エヘヘ、なんて笑いやがって。
なんなんだよ、こいつ。
本当に邪魔…‥いや、別にヤりたかったわけじゃ…。


「なんで邪魔するのっ!」
「えー、だってさぁ、僕だってリゼを好きだもん。いやだよ、エッチされたら。」
「でもリゼは僕の…。」
「まだ結婚してないよね?」
「う…‥‥。」

こいつ意地悪ぃな。
あのロシュがタジタジじゃねぇかよ。
悪びれもなくニコニコ笑いやがって。
ロシュはしゅん、となって肩を落としている。


「僕もこの部屋で寝ることにしたから。エッチ禁止ね。」
「ええっ!な、なんで!」
「そうだなんでてめーが…‥。」

俺とロシュはロザに食ってかかる。
なんて我儘で自分勝手な奴なんだよ。


「へぇ、何?リゼ、そんなにロシュとしたいの?」
「いや…それは…。」

それはない…わけでもないけど、別にんなヤりてぇわけでも…。
こ、こいつ性格悪…っ!!


「じゃあ決まりね。僕と結婚したらいっぱいしようね。」
「しねぇよ!!」
「アハハ、強気なお姫様だねぇ、じゃおやすみ〜。」

ロザは思い切り笑って、ソファをベッドに切り替えて、横になった。


「く……うぅ…。」

隣のロシュの肩が、震えている。
さすがのロシュも怒ってんだろーが。
俺はロシュの怒りを鎮めようと、その肩に触れた。


「リゼと…えっち出来ない…どうしよう。」
「なんだお前、また泣いてんのかよっ!」

しかもんな理由でかよ。 アホかこいつ。


「なんか僕、ロザに負ける気がしてきた…。」

え────?
ボソリと、ロシュがそんな弱気なことを呟いた。
信じられねぇ、ロシュがこんなこと言うなんて。


「ごめんね、リゼ…。」

は?? なんでだよ。
なんで謝ってんだよ。
困惑する俺に背を向けて、ロシュは布団に潜ってしまった。
なんでお前が謝るんだ。
俺だってお前のこと───。
多分好きだから、ここにいるのに。
それでも俺は言えずに、黙ってロシュの背中を見ていた。







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