「…はぁっ、あ、あ…っ!」
はだけた胸を執拗に弄られた後、その愛撫で勃ってしまっていた。
バスローブを全部剥ぎ取られ、そこを口に含まれる。
さすがに口でされるのはいつも恥ずかしくて仕方ない。
恥ずかしい上、俺のプライドにも反する。
この俺が、男にしゃぶられてアンアン言ってるなんて。
「…くっ、ロシュっ、イく…っ!」
「いいよ、僕、リゼのイってる顔が見たいな。」
「…っ、…くそっムカつ…っ、あ!あぁっ!!」
「リゼ、可愛い。」
文句を言いながら、俺はロシュの顔にぶっ掛けてしまった。
くそ…俺のバカ…。
こんなの格好悪いったらありゃしねぇ。
ロシュは白濁したものを綺麗に舐めて、俺の上に圧し掛かってきた。
「なんだよ…、するなら早くすればいいいだろ…っ。」
「え~、でもさ、たまにはリゼが可愛くおねだりとか見たい!」
「は?ふざけんなっ、俺がなんで…。」
「でもリゼ、いいの?言わなくても…。」
この野郎…調子に乗りやがって…。
俺がまだ全部出し切ってないからって我儘言いやがって。
しかも俺のあれ、いやらしい手つきで掴みやがって。
また勃っちまったじゃねぇか。
俺がそんな甘えるなんて気持ち悪いに決まってるだろ。
想像しただけで吐き気するぞ。
「リゼ~…。」
「なんだよ…っ、そんな目したって…くっそ…。」
「リゼぇ…。しないの?えっち。」
「くそー!なんだよっ、早くするなら…、早くっ、早く入れてくれよっ、ロシュ…っ。」
「まだまだかなぁ~♪」
「てめ…調子乗る…、っく、…れて…、入れやがれロシュっ!」
これから喧嘩するわけでもないけど、俺にはどうしてもそういう口調しかできない。
仕方ないだろ、ずっとこれで来たんだから。
だけどもう限界なんだ、もう我慢できない…。
「早く…っ、ロシュ…っ!」
脚を開いて、その入り口を広げるように手を添えた。
こんな格好、二度とやりたくない。
二度とできるもんか。
クリスマスだから仕方なくだ、なんて、それこそ飛躍した考えでロシュを待つ。
「やっぱりリゼ、可愛いね。」
「────あぁっ!!」
後孔から、内側に物凄い衝撃を食らい、身体が跳ねる。
普段はヘラヘラしてるロシュからも、こういう時は男を感じる。
女じゃないかって思うぐらい乙女入ってるクセに…。
俺も男なんだけど、俺より男に思える時もある。
どうかしてるよな、恋でこんなにやられてる俺なんて。
「リゼ…、どうしようっ!」
「な、何…っ、あっ、あぁ…っ!」
荒い息遣いの中、ロシュが困ったような声を上げる。
俺の肩を掴んだ手が、プルプル震えている。
「僕イっちゃうよ…っ!」
「…は?今突っ込んで何言って…っ?!」
「だってリゼが……っ、リゼ…ぇっ!!」
「待てっ、んんっ!んな揺さ振る…あっ、やっ、ああぁ───っっ!!」
…信じられない……。
突っ込んで1、2分だったぞ、今…。
しかも俺までつられてイってどうするんだよ…。
「リゼ~、えへへ、ごめんね~。」
「ホントにな…。」
俺の後ろから、ロシュの放ったものが零れる。
普通に中に出しやがって…。
それでそうやって調子良く笑ってる神経が信じられねぇっつうの。
「だってリゼが悪いんだもん。おねだりする顔がさぁ~。」
「う、うるせぇ!人のせいにするなっ!」
「ねぇリゼ~。見て見て。」
「……!!!な、何っ!!」
「なんか僕、リゼのその喋り方、興奮しちゃうんだよね…、変態かなぁ?」
「し、知らねぇよっ!」
ロシュが指差した先は、見事に勃ったロシュ自身だった。
そりゃあ終わってすぐ何もしてないのに、またそんなに勃ってりゃ変態だろうよ…。
「だからぁ~、ねっ☆」
「何がねっ☆だよ!ふざけ…バカっ離せロシュっ、このやろ…っ!」
「その喋り方だってば…、どうしよう僕今すぐ入れていいっ?!」
「鼻息荒くすんな…っ、あっ、離せって、ロシュっ、ロシュ………!!」
***
あぁ、最悪だ…。
ほぼ無理矢理、あれから何回もヤる羽目になるとは…。
いつもなんだよな、あぁやって何度もってパターン。
俺もなんでそういうの許すかな…。
翌朝、ベッドの中で溜め息を吐いていると、隣で寝ていたロシュの身体が動いた。
「…リゼぇ~、おはよう~。」
「あーはいはい。」
「昨日ごめんねぇ~、なんか変だった僕…。」
「わかってるなら反省しろよ…。」
「なんかリゼの声聞くと興奮しちゃって…、変だよね…。」
「…お前なんかまた飲んだのか?」
ロシュのイトコのロザはそうやって俺達で遊ぶ時がある。
そのロザはというと、俺の妹の那都と結婚どころか子供まで作りやがって、つい先日生まれたばっかりで今回は一緒に来ることができなかった。
あいつのことだ、またなんか変な酒だの薬だのロシュに渡して…。
ロシュもバカ正直だから騙されるしな…。
「ううん、何もだよ?」
「へぇ、じゃあ本当に変態かもなお前…。」
「そんなぁー僕変態じゃないも…あっ!」
「なんだよ突然?」
自分で変態とか言ったことも覚えてないのかよ。
それはいくらなんでもおかしい、と思った瞬間、ロシュが大きな声を上げた。
「シロの…名前なんだっけ、シロの恋人ね、遊びで覚えた催眠術できるんだって!」
「…へえぇぇー、だからどうしたんだ?あぁ?」
「あれ…?リゼなんか怒ってる??試しにかけてみて~って言ったよ!」
「…へえぇぇーそりゃよかったなぁ。」
あの人…藤代さん…。兄のほう。
からかうの好きそうだなーとは思ったけど!ロシュもすぐ騙されそうだもんな…。
そのお陰で俺は昨日あんなことを…。
いや、プロでもないんだ、かかるロシュが悪い!
アホなこいつのことだ、催眠術の催眠術みたいな状態だろ…。
「リゼ?さっきからどうしたの?」
「このアホっ!そんなもん信じるなっバカたれがっ!!」
「そんなぁ~!」
「そんなぁ、じゃねぇ!!まったく幾つになったと思って…ん??わっ!!」
怒鳴る声でロシュは俯いたかと思うと、急に俺の上に乗ってきた。
ま、まさか…。
「やっぱりリゼの喋り方興奮するね…リゼ、えっちしよ♪」
「バカっ、早速かかってんじゃ…っ、どけってロシュ…っ!!」
「王子!リゼ殿!おはようございます!このファボルト少々寝坊をしてしまいま…、な、な、何をやっておられるのですかっ、朝から破廉恥なっ!!」
ドタバタとベッドで絡み合う中、いつものようにファボルトが部屋に入って来た。
あーあ、こりゃまた始まるな、あの説教…。
一瞬青くなったファボルトは、次には真っ赤になっている。
悪いけど、その表情がちょっとどころじゃなく面白い。
「何って、えっちに決まってるじゃない。」
「な、なんと言うお言葉を使われるのですかっ、いいですか、あなたは…。」
「はいはい、時期国王でしょ~?それはいいからリゼとえっちするの!」
「するの!じゃありませんっ!私の目の黒いうちはそのようなことはさせませんよっ。」
「ファボルト目黒くないよ?僕と同じ色だよ?」
「屁理屈を言うものではありませんっ!いいですか、日頃から王子はですね…(以下略)」
あぁ言えばこう言う、の典型的パターンで、この騒動は暫く終わらない。
仕方ないから、俺は寝て待ってるいることにした。
いつ渡そうかと、ずっと考えていた、ロシュへのプレゼントを、そっと枕の下で、触れて確かめながら。
END.