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キリバン小説、シーズン企画など

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「クリスマス・イブの夜」3-2*(完結)

「喜んでくれた…?」
「…うん……。」
「ホント?よかったー。俺も嬉しいです。」
「うん…。」

デレデレ笑う志摩に、熱いキスをした。
さっきよりも深く、口内を探るように舌を這わせる。


「あの…、隼人…わっ!」
「続きするって俺言ったよな。」

激しいキスに驚いた志摩を、抱え上げて、ベッドまで運ぶ。
その体勢のまま、俺が下になって倒れて、またキスをした。


「隼人…、隼人…っ、んっ、ぅんっ。」

キスに応えようとしても叶わなくて、志摩の口からは糸のように唾液が零れる。
その唾液までも吸い取って、唇を隅々まで舐め回した。
持って来た志摩愛用のパジャマのボタンを、急いで全部外すと、胸の突起を指先で捏ねるようにして愛撫した。


「あぁ…んっ!やあっ!」

脇腹を抱えて、その突起を舌で執拗に舐め回すと、丸く粒のように膨らんだ。
志摩の身体を移動させて、下半身まで届くように手を伸ばした。
さっきよりも敏感になっているそこは、もう緩やかに勃っている。
張り詰めた部分を開放してやるように下着まで全部脱がせると、小さくて男という性別を象徴したそれは姿を露にした。


「や…っ、あっ、やぁっ!」
「嫌か?俺にこうされるの。」

いつも志摩を試すようなことばかり言ってしまう。
嫌なのは恥ずかしさのせいだってわかっているのに、どうして俺はこんなに意地悪をするんだ。
泣きそうになった志摩の顔が見たくてたまらない衝動に駆られてしまうんだ…。


「や…じゃないです…っ。」

その言葉が聞きたくて、その瞬間に酔いたくて。
志摩が嫌じゃないこと、俺にこうされて嬉しいこと、俺を好きなことを言って欲しくて。
俺は、もしかしなくても、志摩より子供なのかもしれない。


「んっ、隼人…っ、あっ!そこや…っ!」
「嫌なのか?」
「う…、やじゃないで…、あっ、やぁっ!」
「それじゃどっちかわからないだろ?」

何度も嫌じゃないと言わせることが、俺を安心させる。
俺のしていることは悪いことじゃないと、安心できるんだ。
弄っていた指を後ろへ移動させ、繋がる場所を確かめる。
枕元に置いていたローションを指先にたっぷりと垂らして、その中へと侵入させた。


「ん…っ、あっ、んん…っ!」

濡れた指はスムーズに奥へ奥へと入って行く。
伸縮しながら俺の指を誘うようにして、弱い部分へ近付いた。
そこを集中的に責めるようにして突く。


「や、隼人っ、いっちゃ…、やだいっちゃうよ…っ!」
「いっちゃう?指だけで?志摩はえっち、だよな。」
「やだっ、やだよっ、恥ずかし…、やっ、やあぁっっ!!!」
「志摩?」

泣きながら思い切り喘いだ後、俺の腹部には白濁液が放たれていた。
初めてのことに、一瞬何が起こったのかわからなかった。


「志摩…、本当にイッたのか…?」
「えっえっ…、だからやだって言ったのにー、やだよー恥ずかしいよー。うえ…っ。」

俺のせいで、志摩は本当に泣いてしまった。
やばいな、これは…。
俺、本当にこのままじゃいつか嫌われる…。


「ごめん、志摩。」
「うー…。」
「ごめん。もうしないから。」
「隼人ー…。」

子供みたいな志摩が好きだ。
そうやって泣きながら俺に抱き付いてくるところ。
実際志摩はまだ子供と言ってもいい年齢だ。
俺ばっかりが突っ走ったセックスはしちゃいけないってわかってたのに。


「あの、でも…。でも…。」
「何?」
「うんと、あの、その…。」
「??どうしたんだよ。」

すぐに泣き止んだ志摩の髪を優しく撫でていると、胸の辺りで顔を埋めながらもごもご言っている。
いつもは言いたいことはハッキリ言うのに…。
一体どうしたっていうんだ?


「でも、ここでやめなくて…いいです…。」
「志摩?」
「隼人も、気持ちよくなって欲しいです…。」
「そうか…。」

胸に当たる志摩の顔が熱い。
おそらく真っ赤になってるんだろう。
誘うな、なんて説教されて、誘うようなことを言ってるとでも思って。
まったくどうしてそんなにバカなんだ。
そしてどうしてそんなに俺のことが好きなんだ。
呆れるぐらい、俺も好きなんだけど。


「志摩、来て。」
「や…、恥ずかしい…。」
「お前が来てくれたら気持ちよくなるんだけど。」
「う…、うん…。」

俺も適当なこと言ってるよな。
だけど志摩は俺の言うことがすべてで、俺の言うことが正しいと思っている。
俺の言うことだけ聞いて、俺の言うことにいちいち反応して。
そんな志摩が、どうしようもないぐらい…。


「志摩、好きだ。」
「隼人…っ!好き…っ!」
「志摩、大好き、大好き…。」
「あっ、隼人……っ、あぁ………っっ!!」

今までこんなに素直に告白したことがあったのかというぐらい、
何度も好きだと言いながら、志摩が来るのを待って、腰を支えて沈めた。


「んんっ!やっ、あぁんっ!」

すぐに俺のものを飲み込んだ志摩の身体を激しく揺さ振る。
繋がったところから、物凄くいやらしい音がして、余計興奮してしまって、奥を突き続ける。
何度も何度も志摩の身体は跳ね上がっては、高くて甘い声を上げる。
その音と声だけで、こっちはすぐにでも達してしまいそうだった。


「隼人…っ!」

俺の名前を呼ぶその唇が、零れる涙が、その小さな身体が、志摩のすべてが愛しいと思った。
俺のことだけ好きでいてくれる、その心が好きだ。
本当に好きだと思う。


「や…っ、またいっちゃ…、隼人、またいっちゃう…っ!」
「俺もイくから…っ。」

ベッドが壊れるぐらい、揺れた俺達によって軋む。
志摩の手を取って、指と指を絡めながら、物凄い速さで動いた。


「や、いく………っっ!!」

志摩が再び俺の腹部に放って、俺も直後に志摩から引き抜いて放った。


***


「…ん……。」

翌日の朝になった。
あの後綺麗に汚れた身体を洗おうと向かったバスルームでも欲情して、その場でしてしまった。
これじゃあなんのためにバスルームに来たのかわからない、そう思いながらも止めることなんか不可能で、その二度目のセックスが終わる頃には、志摩はフラフラで歩くこともできない状態だった。
それでも俺のために、嫌だと言わなかった志摩は、まだ寝ている。


「ん~…。」

幸せそうな顔をして。
あんなに泣いたのにな。
瞼が腫れているのは俺のせいだ。
ぴったりと俺にくっついた志摩の柔らかそうな頬を指先で突く。


「はやとぉ~…んにゃ…。」

夢の中まで俺か…?
これには参ってしまった。
あんまりその頬が柔らかくて気持ちよくて、面白くなってしまって突き続ける。


「志摩…。」

思わず名前なんか呼んだりして、こんなところは誰にも、志摩本人にも見せることなんかできない。
寝顔を見て幸せに浸っている俺なんて。
今までの俺からは考えられない。
鏡で見たらちょっとだけにやけてしまっているかもしれない。
勿体無いなと思ったけれど、志摩を置いて部屋を出た。
どうせ起きることなんかできないだろうから、朝食を取りに昨日の会場へ行った。


「お、水島、シマたんはどうした?」
「志摩はまだ寝てるんで取りに来たんですよ。」
「ホントか~?ヤり過ぎたんじゃねぇのか?」
「…違いますよ。」

ニヤニヤする藤代さんに出迎えられたけど、その藤代さんも一人だ。
いつもはシロがべったりくっついているのに。
人のことなんか言えないのにそうやって俺をからかってくる藤代さんが可笑しくて、吹き出しそうになりながら、バイキング形式になった朝食の中から、志摩の好きそうな物を選んでトレーで運んだ。


「隼人…?」

食べ物に対して敏感な志摩がその匂いにつられて目を覚ます。
こんな時でも食い意地だけは張ってるんだからな。
本当に面白いし、いつ見ても飽きない。


「わーい!ご飯だーおいしそー。あっ、エビサンド!……うっ…。」

エビの入ったパンを見て、思わず起き上がった志摩の顔が歪む。
やっぱり…。
俺の責任だよな…、これはもう仕方ないか…。
恥ずかしい気持ちをなんとか誤魔化して、ベッドの中の志摩の傍へ寄った。


「ほら、口開けろ。」
「えへへ、はーい。あー…。」

後ろから抱き抱えるように志摩を支えて、口まで食べ物を運ぶ。
こんな甘やかしているところも誰にも見せられない。


「俺にして欲しいことあるか?」
「ふぉうしたふぉ?ふぉつへん。(どうしたの?突然。)」
「プレゼント、俺用意してなかったから。」
「隼人!」

ごくりと飲み込んで、志摩は振り向いてキスをしてくる。
今飲んだばかりの濃厚なミルクティーの匂いが鼻を掠めた。
今まで誰かにプレゼントなんてやったことがなかった。
買ってと言われて買ったことは何度もあるけど、それは別に俺の意思でもなんでもなかったから。
志摩と出会って、志摩を好きになって、こういうところも変わって来ている。


「ハイっ!俺、隼人とデートがしたいですっ!」
「デート…、あのマフラー巻いてか?」
「えっ巻いてくれるの?んじゃやっぱり二人で一緒に巻こー?ラブラブっぽーい。」
「ぷ…嘘に決まってるだろ。」

俺がそんなことするわけがないのに、すぐに志摩は信じてしまう。
それで嘘だと言うと落ち込んで、残念がって。
それが目に見えるから、可笑しい。


「……デートは、…してもいいけど。」
「隼人!」
「その代わり手繋ぐとかはなしだから。」
「はーい…。」

ごめん、志摩。
来年は、ちゃんとプレゼント用意するから。
志摩の誕生日も、どんな時でも応えるように頑張るから。
そんな決意をしながら、腕の中ではしゃぐ志摩に気付かれないように、小さな身体をきゅ…と抱き直した。


END.

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