「あの…隼人…。」
「何やってるんだ早く…。」
玄関のドアを閉めても、志摩はなかなか部屋に上がろうとしない。
何か言いたげに上目遣いで俺を見つめて、もぞもぞとしている。
「あ…あの…っ、こ、これからもよろしくお願いします…!」
「は……?」
「うんと、俺…さっきはごめんなさいっ!もうこそこそしませんっ!だからあの…!」
「志摩…。」
志摩は突然土下座をして手をついて、頭を深々と下げた。
小さな身体が丸まって、いつもより余計小さく見える。
俺はこんなにか弱い志摩を傷付けてしまったのかと思うと、胸の中が罪悪感でいっぱいになった。
「お願いします…、隼人お願い…き、嫌いにならないで…。」
「ならない…。」
「ホントですか…?俺のこと信じてくれ……隼人…?」
「嫌いになるわけないだろ…。」
「隼人ー…。」
「嫌いになんかならない…。」
その罪悪感と共に溢れ出す志摩への愛しさで堪え切れなくなった俺は、顔を伏せた志摩を抱き上げて自分の腕の中に収めた。
志摩はこんなにも軽かっただろうか…。
普通に学校へ行っていればもう高校生なのに、とてもじゃないけれどそんな歳の奴だとは思えない。
それはもちろんこの身体のせいもあるけれど、無知で純粋な志摩そのものがそう思わせているのだと思う。
「隼人ー…えっ、う…。」
「何でまた泣くんだよ…。」
「抱っこ…久しぶりです…。」
「そんなことで泣くなよ…。」
「だってー…ふぇ…、ん…んっ、ん…!」
「志摩はバカだな…。」
同じ目線になった志摩の柔らかい唇を甘噛みするように貪る。
春とは言えまだまだ冷える夜の中にいたせいで、いつもよりその唇も冷たく感じた。
だけどそれがいつも以上の温度になるのには、そう時間がかからなかった。
「は…隼人……んっ、んう…っ、ふ…ぁ…。」
俺は志摩を抱き上げたまま、激しいキスを繰り返した。
はじめは突然のことに戸惑っていた志摩の目もとろりと蕩けていき、俺の首の辺りにしっかりとしがみ付いている。
絡まる舌に不器用に応えようとする仕草が、何とも幼くて可愛い。
「あ…あの……。」
「何…。」
「え……え…えええエッチ…するですか…?」
「あのな……。」
こんな時に何かと思えば、そんなことを聞いて来る奴がいるか…。
そう聞かれたこっちの方が恥ずかしくなるじゃないか。
そこで断られたらどうすればいいって言うんだ…。
「ごっ、ごめんなさい俺…!何かまた変なこと…。」
「…するよ……。」
「え……?」
「だから、エッチするよって言ったんだけど…嫌か?志摩は嫌なのか?」
「あ…あの…俺っ、俺はその…。」
「志摩が絶対に嫌だって言うならしないけど…?」
俺はやっぱり嫌な奴かもしれない。
反省したのも束の間、また志摩に意地悪をしようとしているのだから。
志摩が俺の誘いを断ることが出来ないのを知っていて、わざと言わせようとして…。
いつ嫌われてもおかしくないのに、志摩が応えてくれるから、調子に乗ってしまうのだ。
「や……じゃな…です…。」
志摩が真っ赤になりながら俺の耳元で言うと、俺はそのままの体勢で寝室へと急いだ。
ドキドキと大きく鳴っている志摩の心臓の音と自分の心臓の音が重なるぐらい、俺もいつもより緊張してしまっていた。
「あ…っ、やあぁ…んっ、あ……!」
俺は志摩をベッドに寝かせると、すぐに着ていた服を全部取り去ってしまった。
剥き出しになった全身は暗い部屋の中でも赤く染まるのがわかるぐらい、熱を上げていた。
小さな胸の突起を舌先で転がしただけで下半身まで反応してしまうのは、相変わらずの敏感さだ。
「やぁ…っ、あ……、ん…!んんっ、あ、あ……!」
志摩の股間に顔を埋め、その反応しているものを口に含むと、先端から滲み出ている透明な液体が俺の舌に纏わり付いた。
辺りの柔らかい部分を揉み解しながら何度も出し入れを繰り返すと、完勃ちになったそれが口内でドクドクと脈打っている。
限界が近いことを悟った俺はわざとそれから口を離し、大きく開いた志摩の脚の間に手を伸ばした。
「ひゃう…!や…隼人…っ、ひゃあぁんっ!」
「や…?嫌なのか…?」
「あう…!やあぁ…!」
「こんなにひくひくしてるのにか…?」
志摩の秘密の場所を指で押し広げて、息を吹きかけると、そこは敏感に反応して伸縮をしてみせる。
こんなことを出来るのは、俺だけだ。
ここをこんな間近で見ることが出来るのは俺だけだ。
俺は自分の立場を実感したくて、志摩に意地悪を繰り返す。
「や…だぁ…っ、隼人ぉ…っ。」
「ここ…どうして欲しいんだ…?」
「や……っ!わかんな…。」
「わかんなくないだろ…?志摩はここが一番好きなんだよな…?どうされるのがいいんだ…?」
キスも知らなかった志摩をここまでいやらしい身体にしたのはこの俺だ。
汚したくない、純粋でいて欲しいと願いながらも、この身体をどうやって開発していこうか…俺の中は常にそんな欲望で溢れている。
「や……隼人…っ、ふぇ…。」
「これか…?指…どうして欲しい…?」
「う…ふえぇ…、隼人…っ、俺ぇ…っ。」
「志摩…それじゃあわからないだろ…?」
わからないわけなんてない。
志摩がどうして欲しいか、どうすれば感じるかなんて、この俺が教え込んだのだから。
だけど俺は志摩がバカなのをいいことに、恥ずかしい台詞を言わせようとしている。
志摩の口から直接その望みを聞きたくて、そうすることで志摩自身が俺を欲していると強く感じたかった。
「…って……っ、触ってくださ……っく…ふぇ…。」
「こう…だよな…?」
「ひゃあああぁんっ!!やあぁんっ、あ……あ……!」
「志摩はここが好きなんだもんな…。」
息で湿りかけたそこに舌を指を同時に挿入し、熱いその内部をそろりと撫でる。
すぐに一番弱い部分に当たってしまったのか、志摩は甘い声を上げてビクビクと全身を震わせた。
「あ……やぁっ、隼人だめえぇっ、や…いっちゃう……!!」
そこを指先で捻じ込むように執拗に突くと、志摩はすぐに白濁液を放ってしまった。
いつも早いとは思っていたけれど、これほどまでに早く達してしまったのは珍しいかもしれない。