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「寂しんぼの大騒ぎ」(ちょっぴりコメディ風)

お正月のある日、俺はいつものようにシロのところへ遊びに行った。
亮平くんはお仕事だけど、シロはお正月休みなんだって。
俺もシロといるの好きだから、嬉しい。
そしたら、シロが、友達を連れてくるって言った。
街で知り合って、シロの家まで来ることになってたんだけど、道がわからなくなっちゃたんだって。
シロは近所なら詳しいからって、迎えに行くって言ってちょっとだけ俺一人で留守番してる。
どんな子かなぁ…、シロみたいに可愛い子かなぁ…。
俺、仲良くなれるかなぁ、なれるといいな…。

「ただいま~、シマ、ごめん一人にして~。」
「いや~、なんやこのへん道が狭くてあかんなぁ。」
「お、おかえりなさいっ!」

えっと、関西弁ってやつだよね…?
そこには、シロと一緒に、すっごく綺麗な男の子が立っていた。


「あんたがシマ言うんか?えらい可愛いなあ。俺、ジンって言うねん、あ…本名はカズヒロな、よろしく頼むで。」
「はいっ、志摩です、こんにちはっ!えっと、俺、初めて生の関西人に会った!すごーいすごーい!カッコいいー!!」
「生の関西人て…。何がすごいん?別に普通やで?」
「あっ、とりあえずジン、中に入って~。」
「おう、邪魔するで~。」

ジンは、関西出身で、今は東京の芸大っていうのに行ってるんだって。
だからなんかセンスいいんだね…。
関西弁、カッコいいなぁ、俺も喋ってみたいなぁ…。


「何笑ろてんねん、変な子やなぁ、シマって。」
「えへへージンー、俺友達になれて嬉しいー。」
「俺もやで。あっ、シロもな。」
「うんっ!オレも~。」

それから、色んな話をした。
ジンの旦那さんは、おまわりさん?なんだって。
ジンよりずっと年上でカッコいいって。
おまわりさんかぁ、正義の味方だぁ…。
どんな人なんだろ、見てみたいなぁ、そんな妄想にふけっていた時だった。


「でもあんたらみたいにラブ…あー仲いいんとちゃうねん、あいつ、また3日も帰ってこおへん…。」
「ええーーー!!寂しくないの?ジン、寂しくない?」
「オレ、ジン寂しいと思って今日呼んだんだ…。」
「シロ、ありがとうなあ。仕方ないねん、仕事やねんな…でもどうしようもない時ってあるやろ?」
「お、俺隼人が1日いないだけで無理だよー!」
「オレも…。」

どうしよう…、考えただけで悲しくなってきちゃった…。
ジン、すごく寂しそう…。
でも旦那さんのこと好きだから、我慢してるんだね。
えらいなぁ、ジン、俺みたいな子供とは違う。
そういうのも、カッコいいなぁ…。
旦那さん、幸せ者ってやつだね…。


「でも寂しい言うてもあのオッサン…顔色も変えへんねんな、なんやムカついてきたわ。」
「そうだそうだー帰って来ないのはいけないんだぞー!」
「そうやんな?!シマええ子やな!気に入ったで。」
「よ、よしっ、乾杯だー、乾杯しよう、シマも、ジンも!」

こうして、お菓子を広げて、冷蔵庫から飲み物を出して騒いでいた。
それから約2時間後…。

「一真のアホ~、一生帰ってくるな~…。」
「そうだそうだ~帰ってくるな~…。」
「帰って来ないで下さいー…。」

あぁ…なんだかとってもいい気分…。
ゆらゆら視界が揺れて、身体もぽかぽかするよ…。
シロのおうちって、おもしろいジュースがあるんだなぁ…。
甘くて、炭酸が入ってるのとか、中には苦いのもあったけど…。
さすが元猫だよー……。うぅ…眠くなってきちゃった…。
隼人ー……。


「……っく…、一真ぁ…。」
「ジン?どうした~?」
「なんや会いたくて堪らんようなってきた…。」
「ジン…。」

ジン、本当は物凄く寂しかったんだね…。
さききまで文句ばっかり言ってたけど、顔は寂しかったもん。
旦那さんに会いたくて仕方ない気持ち、俺わかるよ。
だって俺も…。


「えっえっ…、隼人ー…。隼人に会いたいよー…。」
「わぁっシマまで…!…うっ、オレも亮平に会いたい…。」
「そうやろ?!会いたいねんな…っ?!」
「うえぇー隼人ー。」
「亮平~っ。」
「一真のアホたれー!自分の都合ええ時だけ手出しやがってスケベオヤジ!さっさと帰って…。」


「誰がスケベオヤジだ。」


…あ、あれれ…??
俺、シロ、ジン、と、他の人の声…??
えっともしかして…。


「わぁっ、かかか一真…!!なんでここ…!!」
「自分が電話したくせに何を言っているんだ。」
「俺…電話なんか……あ…。」
「未成年が酒なんか飲みやがって。下らんことで呼び出すな。」

そういえばさっき、いい気分になっている途中で、ジンは何度も電話してたっけ。
旦那さんが出なくて、メッセージもいっぱい入れてた。
メールもいっぱい打ってたの、俺見た…。


「ごめん…忙しい時に…。」
「まったくだ、もう戻るぞ。」
「ごめん…。」

ジン…、どうして…?!
どうしてさっきみたいに言わないの?!
会いたくてずっと待ってたのに。
こんなの…しゅんとなって下を向いているジンが可哀想だよ!


「ま、待って下さいおじさんっ!!」
「おじさ…!」(ショックだったらしい)
「ジン、おじさんのこと待ってたんです!ずっと待ってて…だから帰っちゃダメなの…うっうっ…。」
「そ、そうだぞ!!オレもそう思う!!」
「そんなことは…俺は知らん。」(実はまだショック)

ひどいよ…俺たちみたいな子供に言われても意見を聞きたくないことはわかるけど…。
それじゃジンはどうすればいいの…?
さっきよりもっと落ち込んじゃったよ…。
あんなにいい気分だったのに…。


「早くしろ。もう3日寝てないんだ、帰ってすぐ寝る。」
「…え?」
「迎えに来いと騒いでおいて帰らんのか。わけのわからん奴だな。だったらいい。」
「か、一真ぁ…!」
「おじさん…!」
「ジンのおじさん…!」(ちょっと違うぞシロ)

こうして、ジンは仲良く旦那さんと帰って行ったんだ。
よかったね、ジン。
今日の夜は寂しい思いしなくていいかもしれない。
そう思うと、自然に笑いがこぼれた。


「シロ…?シマ…??何やってんだお前ら…。」
「亮平~、シマとジンと遊んで…会いたかった~。」
「あー亮平くんだー…わぁ隼人ー!会いたかったです!」
「志摩…何やってるんだ……。」

亮平くんと一緒に隼人も帰って来て、俺はたちまち嬉しくなった。
お隣に出掛けた時は、隼人にメールすると、迎えに来てくれるんだ。
今日も途中でメールしたから、来てくれたんだね。
隼人はやっぱり優しいなぁ。


「えへへー隼人、好きー…。」
「何でれでれして…。」
「うわ!!俺のビール!!酒全部なくなってんじゃねぇかよ!!シロ…?まさか…。」
「わかんないけど、冷蔵庫ん中入ってたやつ飲んでみた!」

どうやら俺たちは、お酒を飲んでしまっていたらしい。
俺もシロも、隼人と亮平くんに物凄く怒られた。
当たり前だよね、俺もシロも(?)未成年ってやつだもん…。


「よし、シロ、お仕置きだからな。」
「えっ?わぁっ亮平っ、下ろしてやん!…あ……っ。」(関西弁が変にうつった)

わぁ───…。
亮平くん、シロのこと軽々抱っこしちゃった。
っていうかお仕置きっていうかそれって…え、エッチしようとしてるとしか見えないんだけど…。


「水島、お前もシマにやっとけよ。」
「亮平…っ、あっ、や…っ。」
「えっあの亮平くん…何言ってるやん…、隼人っ?!」(こっちも変にうつってるし)
「志摩、帰るぞ。」

それってそれって…。
うわーん隼人まで興奮しちゃったよ、亮平くんのバカ───!
結局、俺も隼人にお仕置きされたんだけど…。
ジンは大丈夫かなぁ…。
あの人、しぶくて(?)カッコよかったけど、ちょっと恐そうだった…。

一方その頃。


「未成年が酒なんて…わかっているんだろうな。」
「…んー?なんやー…?」
「言ってわからん子供には身体で教えるしかないと言うことだ。」
「一真…っ、あ、や…っ。」
「あの子供達にも言っておけ。まだおじさん、じゃないとな。まだできるからな…っ。」(ニヤリ)
「え…何…っ、あ、かず…ま…ぁっ、あっ!ああぁ─────…っ!!」


何はともあれみんなラブラブだったみたい。
ホントによかったね、ジン。

<終わり>

よかねぇよ!!こんなことジンも菅原さんも言わねぇよ!!
す い ま せ ん で し た!!!!!(反省)
特に菅原さん…おっさん扱いを…。
いや、あれはシロと志摩が言ったんであって…。(すっげぇ言い訳)
もう二度と書かないので許して下さい。(許せん)

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