「あ…っ!や、やぁ…っ!」
俺たちは、陰でデキていたのだった。
しかも俺、受だし!
こんなハズじゃなかったんだ。
最初は本当に実力テストのライバルで、会話してたぐらいだったのに。
今年になって同じクラスになって、今みたいに放課後残ってて、志水が入ってきて、俺のこと好きだって告白してきて…。
なんと言うかその、流れで…してしまったのだ。
実は俺も本当は好きだったんだけど、自分の気持ちは言ってない。
だからこの場合、デキてるって言い方はおかしいかもしれないけど。
「さっきの、教えて欲しい?」
「いいっ、やだ…っ、ん…!」
「俺と前の日エッチしなかったから。」
「そんなバカなこと…っ、あぁっ。」
そう、こいつめちゃくちゃエロいんだよ。
よくわかんないけど、巧い…し。
俺はこいつによってアンアン言ってるし。
女の子が騒いでいる、爽やかな志水くん、てのは全部作ってるんだよ。
「この身体がよくわかるよな?」
立ったまま、背後から志水の指先で制服のシャツの中の胸の辺りを弄られて、その先端が硬く立体的に腫れ上がる。
首筋を強く吸われながら、集中的に責められて、俺の口からは喘ぎ声と唾液が洩れる。
「こんなところで…っ、やだ…って!」
「大丈夫、鍵閉めてるから。」
そういう問題じゃないと思うんだけど、俺は内心ホッとしてしまう。
だってもう、俺は抑えが利かなくなっていたから。
今度は俺のズボンが下げられ、下半身が剥き出しになり、その抑えが利かないものを志水の手が包んだ。
「苦しいだろ?」
「…このスケベっ!…あ!」
「どっちが?もうこんな濡らして。」
「…この変態っ、んんっ、んっ!」
こいつはいつもこんなエロ台詞を俺に囁く。
またその声が色っぽくて、耳まで犯される気分だ。
どこから覚えてくるんだ、そんな台詞。
絶対家でAV見まくってるに違いない。
それで二位なんじゃないか??
「は…っ、あぁっ、やっ、もうっ!」
机の上で支えていた手の力が抜けてくる。
俺はもう我慢ができなくなっていた。
弄られたそこから濡れた音がして、達するのを待ってるみたいに震えている。
器用にも同時に弄られた後ろまで伸縮しているような気がする。
「…あっ!やだっ!」
その寸前に志水の指によって強く握られ、先端を塞がれた。
イきたくてもイけなくて、なんだかもう泣きたい。
「イきたいなら言わなきゃわかんないよ?」
「…っく、このムッツリ!変態!スケベ!」
「ひどいな。ほら、どうする?」
「…っ、わかってるクセに…っ。」
俺はとうとう観念した。
志水の指で塞がれた隙間から、今にも飛び出しそうだった。
「う…っ、んっ、せ…。」
「聞こえないなぁ、ほらぁ。」
「せ…いっ、青っ、早く…っ!」
「よくできました。」
堪らず志水の名前を呼んで懇願した。
後ろから指が引き抜かれ、代わりに、いや、代わりにならないぐらい質量の違うものが入ってきた。
「────っ!!んんっ、あ…!!」
俺の体内を容赦なく突いて、次々に高い声をあげる。
支えのハズの机が、グラグラ揺れて壊れそうだ。
「相変わらず可愛いな、怜司は。」
今度は志水が俺の名前を呼んで、俺はあっさりイってしまった。
「今日は89点ってところかな。」
俺はまだ息が乱れている。
がっくりと床に倒れて、志水を見上げた。
涼しい顔の志水をきつく睨む。
こいつはエッチの後必ず採点をする。
それも信じられないんだけど。
俺、お前の好きな人じゃないのかよ?
「素直に欲しいって言わないから減点。」
悔しくて唇を噛む俺の頭を、優しく撫でる。
くっそー…なんだよそれ。
勝手に人を採点してこのエラそうな態度ってどうよ。
「絶対100点取ってやるからな!」
「いい意気込みだ、まぁ頑張って。」
くっそー、くっそー!
俺は負けるの嫌なんだ、何事でも。
志水に好きだ、って言うのも俺にとっちゃ負けみたいなもんなんだ。
だから言えないんだ。
「じゃあな、あと10点だ、頑張れ。」
「は?10点??」
「好きだよ、怜司。」
「………。」
計算が、合わない。
そんなの小学生だってわかるぞ。
考え込んでる間に、俺の額に軽くキスして、志水はさっさと教室を出て行ってしまった。
「意味わかんね…。」
でも、本当は俺も好きだよ、志水。
好きだよ、青…。
あぁ、俺、いつになったら言えるんだろ…。
◆◆◆
あんなに勉強は出来るクセにバカだなぁ、長谷川は。
あと1点は、保険なんだよ。
だってそうだろ、100点になったらお前は俺の相手をしてくれなくなる。
俺はお前の前でしかあんなこと言わない。
お前だけに知って欲しい。
お前が負けるの嫌いだから言わないのはわかってる。
でもそろそろ言えよ。
そしたら100点満点どころか、1000点でもつけてやる。
俺がお前にこんなにベタ惚れな時点でお前の勝ちなのに。
まぁ、いいか…、もうちょっと、待つよ。
END?
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