「DARLING」番外編1「HONEY」…夜編・ひみつページ




「ん…っ、んっんっ、んー…。」

何度キスを交わしても、何度身体を繋げても志摩は変わらなかった。
相変わらず不器用で拙く俺の動作に応えるのに精一杯だ。
苦しそうに眉をひそめて、はぁはぁと息を漏らして。
舌と唾液を激しく絡めるキスだけで、一気にその体温が上昇している。


「ん…っ、あっ、あっ!」

性急に服を脱がせて、志摩を生まれたままにする。
さっきから触れていた胸の粒は既に赤く膨らんでいた。


「ん…ふぁ…っ、あっあ…。」

大きな音をたてながら、俺はそれを口に含んでは吸い上げる。
口内を転がしながら時々甘く噛んでみたりもした。
その度に志摩の身体はびくびくと動いて、高い声が漏れた。


「志摩…。」
「あ…っ!ダメ…っ!」
「ダメ?こんなになってるのになんでダメ?」
「う…隼人意地わ…ひゃうっ!あっ、隼人っ、やぁ…っ!」

志摩の脇腹から一度その身体を持ち上げて、ソファに寝かせた。
手で押さえていても無駄なぐらい、志摩の下半身は変化を遂げていた。
こんなになっておきながらダメだなんて言わせない。
そんなにしっかり反応しているのに、触れさせないなんてさせない。


「ひゃあぁっ!!あっ、あ…ぁんっ!!」

志摩の手を無理矢理退かせて、俺はそこに頭を埋めた。
目の前にある志摩の小さな性器が愛しくて仕方がない。
口の中を出し入れする度に濃くなっていく先走りの味も。
涙目になって真っ赤になっているその顔も。
震えながら上げる甘く高いその声も。
何度味わっても飽きることなどない志摩のすべてが愛しい。


「ふ…っう…、ふえぇっ、あっ、やあぁっ。」

濡れた音は、無音だった部屋に大きく響く。
電気も消さずにしていたのを恥ずかしいのか、志摩は顔を手で覆っていた。
そんなことをしても今更なのに。
いまだにそういう態度を取るからこそ可愛くてどうしようもない。


「やだっ、もーいくっ、いっちゃう…っ!隼人っいっちゃ……あ………っ!!」

志摩がその言葉を発する時は大抵手遅れの時が多い。
もうダメだと言う時には俺の口内に放たれているのだ。
それは今日も同じで、あっという間にそれ味わうことが出来た。
俺の好きな、生温かいとろりとした液体を。


「うー…隼人ー…。」
「すごい…今日早過ぎ。」
「う…っ、だ、だってぇ…うっうっ。」
「でも志摩が好きなのはここじゃないよな…?」

志摩が触れられて一番好きな場所を俺は知っている。
何度も重ねた唇でもなくて、果実のような胸の粒でもない。
今放ったばかりの小さな性器でもない。
志摩が一番好きなのは、一番恥ずかしいと言うところだ。
そこに触れるといやだいやだと言って、時には泣いてしまう場所…。


「ひゃああぁぁんっ!!」
「志摩が好きなのはここだよな…?」
「やっ、違っ、やあぁんっ!違うのっ、隼人…ぉっ!!」
「志摩の嘘吐き…。」

俺は志摩の脚を大きく開かせて持ち上げると、後孔に舌先を滑らせた。
ここを舐められるのだけは嫌、ここで達するのだけは嫌だと志摩は言う。
でもそれは本当は嫌なんかじゃない。
変になっちゃうから、つまりは気持ちが良すぎるからだ。
それを志摩自身もまだよくわかっていない。
だから俺が何度も触れて気付かせてやりたい。


「まっ、待ってぇっ!ホントに待って…っ、お願い隼人…っ!!」
「……?」

志摩の様子がいつもと違っていた。
いつもなら無理矢理俺にされると反抗も出来ないでいたのに。
俺の髪をぐしゃぐしゃに掴んで、必死で抗おうとしているのだ。
まさか本気で嫌がっているなんてことは…。
そう考えると自分でもゾッとするのがわかった。


「あの…、俺っ、俺…。」
「志摩?」
「俺っ、きょ、今日はっ、おお俺もするの…っ!」
「え……?志摩……っ。」

今までに志摩からしたことは数を数えられるだけしかなかった。
俺に応えるのだけで、志摩からする余裕はまったくなかった。
今も余裕があるわけでもなさそうだ。
半分泣きながら俺のものに口を近付けるのに、掴んだ手が震えている。
もちろん俺も余裕があるわけではないけれど、志摩にすることだけは出来る。
だけどそんなことをされたら俺の方がおかしくなってしまいそうだ…。


「隼人…んっく…っ、ふぅ…んっ。」
「志摩…っ。」

志摩に早いなんて言っておきながら、俺は咥えられた瞬間にでも達してしまいそうだった。
キスと同様に拙く舌を這わせるのが堪らない。
苦しそうに口に含む時の顔が堪らない。
口の端から唾液やらが漏れるのが堪らない…。
今まで口淫をした誰よりも下手なのに、誰よりも感じる。
それは誰よりも好きだからだ…。


「隼人…っ、俺…っ、ごめんなさ…。」
「何が…っ。」
「あんまりうまくできなく…ふぅ…んっ。」
「バカ……っ。」

俺を見上げる志摩の顔は普段からは考えられないぐらい艶っぽかった。
上目遣いになった目からはもう涙が溢れていて、唾液も首筋まで到達している。
下手なんかじゃなかった、最高に上手いんじゃないか…。


「志摩っ、もういい……っ。」

情けないことに、志摩が行為を始めてからものの数分で俺は限界に達してしまった。
志摩同様もうダメだと思った時には遅くて、勢いよく放ってしまっていた。
何が起きたのかわからない間に、志摩の口の中は俺の放ったもので溢れかえる。


「けほっ、えほっ…。」
「バカっ吐けよ…っ。」
「やだ…っ、やだ…。」
「志摩っ、吐けって!」
「やだもん…っ。俺だって…俺だって…。」
「志摩っ。」

なぜだかこういう時になると志摩は頑固だ。
普段は俺に強く言われたら黙ってしまうのに。
俺が背中を叩いて吐かせようとしても、志摩はそれを無理矢理飲み干してしまった。


「だって…っ、俺だって隼人が欲しいもん…っ!」
「…ホントにお前はもう……っ。」

俺の理性は完璧に崩れてしまった。
崩れるどころか、もう二度と戻って来ないかもしれないと思った。
舌打ちをしながら志摩の肩を掴んで再びソファへ押し倒すと、さっきよりも大きく脚を広げた 。
まだ指も入れてはいなかったのに、もう我慢が出来なかった。
志摩が痛がるのはわかっているのに、繋がることだけしか考えられなかった。


「い……っ?!痛っ、あっ、あああっ!!!隼人───っ!!」
「志摩……っ、く……っ。」

辛うじて少しでも濡らしておいたということは助かったかもしれない。
出血でもしたらどうしようかと思ったけれど、そこまで傷付けることはなかった。
志摩は突然襲って来た圧迫感と異物感に目を大きく見開いていた。
わけがわからないまま身体を揺さ振られて、大声で喘ぎまくる。
その顔を濡らすのは涙なのか唾液なのか何なのか、それすらわからなかった。
あまりにも夢中になり過ぎて、志摩と繋がっているという事実しかわからなくて…。

それから2人で1度目の放熱を終え、次は逆に時間をかけて触れ合った。
途中で志摩が何回か気を失いながらも、これ以上はないというぐらいまでセックスを繰り返し た。






「DARLING」番外編1「HONEY」…夜編2に戻ります〜