なんでそうなる、まさに今にぴったりだ。
「‥…ん…。」
なんで俺はまた押し倒されてされるがままになってんだ??
たった一週間、キスもロクにしてなかった俺の身体は、ロシュの唇から、熱を帯びていく。
「痛いだろ、顔。」
本当に熱があるみたいに、いつもの俺からは考えられない行動をしてしまう。
「‥…はぁ…っ。」
ロシュの頬を息苦しくなりそうなぐらい、きつく舐めあげる。
唾液が濡れた音をたてて、舐めている俺まで興奮してしまう。
「ありがとう、リゼ。」
「んんっ。」
ロシュは礼を言いながら、俺の破れた服の中に手を滑り込ませると、
すぐに胸の粒を探り当てる。
その刺激に身体がびくん、と跳ねて、そこは触られただけなのに敏感に反応を起こしている。
「ぁ、ん…‥、───!」
「大丈夫、誰にも聞こえないから。」
信じられねぇ!
なんて声出してんだ、俺。
女みたいな甘くて高い声あげて。
思わず口を塞いだ俺の手をロシュに取られて、そこにもキスされる。
「嫌…だ…‥、あっ。」
俺のズボンが下ろされて、下半身が露出する。
もちろん、緩やかに勃ち始めている。
「リゼ、この前の続き、してもいい?」
「この前…‥。嫌だっ、やめろっ、やめろロシュ!」
俺の、舐める気かよ!
んな恥ずかしいこと出来るか!!
「やめろっつって…、あ…っ。」
ロシュは布団に潜って、俺のそれを口に含んだ。
「ぅ…んっ、やめ、あ…っ!」
「でもリゼの、おっきくなって来てるよ?」
「だからなんでいちいち言う…‥、んっ。」
やめてくれ!
本当にイくって!!
やめろって!
そんなイヤらしく音たてて舐めんなバカ…!
「やーっぱりリゼってばロシュとエッチしたかったんじゃーん。」
は───?
「そりゃあそうでしょ。じゃなきゃあんな声出ないわよ。毎回。」
はぁっ??
「ロザ…、と、那都…?」
不幸中の幸いなのか?
辛うじて俺の身体は布団に隠れていて、もちろんその行為は見えないけど。
いや、ちょっと待て。
「い、今、毎回って…。」
「微かに聞こえてたわ。だってココ築何百年のお城よ?」
「…嘘……だ…‥。」
冷や汗が滝のように流れる。
この俺が女みたいに喘いでる声を、実の妹に聞かれてたなんて…!
「おいロシュっ!てめぇ聞こえないって…!」
俺は身体から無理矢理ロシュを引き剥がす。
「あ、大丈夫。僕らすぐおいとまするから!」
ロザがにっこり笑って、那都の肩を抱いた。
まさか…‥!!
「僕も結婚することにしたから。よろしくね、リゼお義兄様。」
「そういうことでよろしく。」
「わあ〜、そうなの?おめでとう!」
布団からロシュが顔を出してあろうことに祝いの言葉まで…。
「ダメだ!ダメに決まってんだろ!」
「え〜、いいじゃない。リゼ許してあげようよ〜。」
「お前は黙ってろ!」
口出ししようとしてきたロシュを怒鳴って制する。
冗談じゃねぇ。
那都はたった一人の妹なんだ、誰がこんな奴に。
「あはは!すっかり夫婦だね。どっちが奥さんかわかんないけど。」
「あたしたちも幸せになりましょ。お兄ちゃんとロシュみたいに。」
「勝手なこと言うな!誰が幸せだ!お前らみんな大嫌いだっ!」
「えぇ!そんなぁ、リゼ〜!さっき好きって言ったのに〜!!」
嘘だ。
みんな、大好きだ。
そんな大好きな家族に囲まれて、俺は世界一幸せなお姫様(認めたくない呼び名だけど)だ。
俺の薔薇色の人生は、まだ始まったばかり。
END.
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