「薔薇色☆お姫様」-10






なんでそうなる、まさに今にぴったりだ。


「‥…ん…。」

なんで俺はまた押し倒されてされるがままになってんだ??
たった一週間、キスもロクにしてなかった俺の身体は、ロシュの唇から、熱を帯びていく。


「痛いだろ、顔。」

本当に熱があるみたいに、いつもの俺からは考えられない行動をしてしまう。


「‥…はぁ…っ。」

ロシュの頬を息苦しくなりそうなぐらい、きつく舐めあげる。
唾液が濡れた音をたてて、舐めている俺まで興奮してしまう。


「ありがとう、リゼ。」
「んんっ。」

ロシュは礼を言いながら、俺の破れた服の中に手を滑り込ませると、 すぐに胸の粒を探り当てる。
その刺激に身体がびくん、と跳ねて、そこは触られただけなのに敏感に反応を起こしている。


「ぁ、ん…‥、───!」
「大丈夫、誰にも聞こえないから。」

信じられねぇ!
なんて声出してんだ、俺。
女みたいな甘くて高い声あげて。
思わず口を塞いだ俺の手をロシュに取られて、そこにもキスされる。


「嫌…だ…‥、あっ。」

俺のズボンが下ろされて、下半身が露出する。
もちろん、緩やかに勃ち始めている。


「リゼ、この前の続き、してもいい?」
「この前…‥。嫌だっ、やめろっ、やめろロシュ!」

俺の、舐める気かよ!
んな恥ずかしいこと出来るか!!


「やめろっつって…、あ…っ。」

ロシュは布団に潜って、俺のそれを口に含んだ。


「ぅ…んっ、やめ、あ…っ!」
「でもリゼの、おっきくなって来てるよ?」
「だからなんでいちいち言う…‥、んっ。」

やめてくれ!
本当にイくって!! やめろって!
そんなイヤらしく音たてて舐めんなバカ…!





「やーっぱりリゼってばロシュとエッチしたかったんじゃーん。」

は───?


「そりゃあそうでしょ。じゃなきゃあんな声出ないわよ。毎回。」

はぁっ??


「ロザ…、と、那都…?」

不幸中の幸いなのか?
辛うじて俺の身体は布団に隠れていて、もちろんその行為は見えないけど。
いや、ちょっと待て。


「い、今、毎回って…。」
「微かに聞こえてたわ。だってココ築何百年のお城よ?」
「…嘘……だ…‥。」

冷や汗が滝のように流れる。
この俺が女みたいに喘いでる声を、実の妹に聞かれてたなんて…!


「おいロシュっ!てめぇ聞こえないって…!」

俺は身体から無理矢理ロシュを引き剥がす。


「あ、大丈夫。僕らすぐおいとまするから!」

ロザがにっこり笑って、那都の肩を抱いた。
まさか…‥!!


「僕も結婚することにしたから。よろしくね、リゼお義兄様。」
「そういうことでよろしく。」
「わあ〜、そうなの?おめでとう!」

布団からロシュが顔を出してあろうことに祝いの言葉まで…。


「ダメだ!ダメに決まってんだろ!」
「え〜、いいじゃない。リゼ許してあげようよ〜。」
「お前は黙ってろ!」

口出ししようとしてきたロシュを怒鳴って制する。
冗談じゃねぇ。
那都はたった一人の妹なんだ、誰がこんな奴に。


「あはは!すっかり夫婦だね。どっちが奥さんかわかんないけど。」
「あたしたちも幸せになりましょ。お兄ちゃんとロシュみたいに。」
「勝手なこと言うな!誰が幸せだ!お前らみんな大嫌いだっ!」
「えぇ!そんなぁ、リゼ〜!さっき好きって言ったのに〜!!」



嘘だ。
みんな、大好きだ。
そんな大好きな家族に囲まれて、俺は世界一幸せなお姫様(認めたくない呼び名だけど)だ。


俺の薔薇色の人生は、まだ始まったばかり。












END.









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