「さよならLonely heart」の松阪視点のおまけ話です。
自分で言うのもなんだが、俺は顔がいい。
だから女子にはモテるほうだと思う。
だけど他人にはあまり興味がない。
関わっても別に得なことはないし、むしろ面倒だから。
そんな俺が「関わりたい」と思ってしまった人間がいる。
そいつは同じクラスの中でも俺と違って、みんなと仲良くて、喧嘩も強くて、俺がその性格ならきっともっとモテたんだろうな、という感じの奴だ。
ある日俺が放送室の前を通りかかった時のことだ。
たまたま周りが静かだったため、中で物音がするのが聞こえて、気付かれないようにドアをそっと開けてみた。
「ヤバ……、……っ。」
俺が関わりたいと思っている、近江という奴が、中でエロ本片手に一人エッチをしていたのだった。
近江は夢中になって自分の下半身に手を伸ばして、そこを先走りと共に弄り回していた。
くっそ…もっと見せろ…。
「…はぁ……っ。」
目がもううつろで、もうすぐイくんだというのがわかる。
同時に、俺もそれを見ながら自分のものを扱いていたのだった。
そして近江がイくより先に、自分の手の中で達してしまった。
すぐに何もしてなかったような素振りで、中にいる近江に近付いた。
「松阪?……っ、やっ、あ───…っ!」
近江は俺に気付いた瞬間、イってしまったようで、またその顔がなんとも言えなくて…。
つまりは俺は、近江に惚れてしまった。
だってそうだろう?
近江で抜けたということはそういうことだろう?
「その代わり、また見せて。」
そんな意地悪を言って俺はまたの機会を作った。
それでいつか近江も俺に惚れてくれればいいと思った。
「つーかあん時お前もしてたのかよ?」
「あぁ、してた。」
「廊下でかよ?」
「そうだ、別に誰もいなかったし。」
たとえ誰かいたとしても俺はそんな気にしない。
だけどそんなこと言ったら近江の奴は「変態」だとか言って怒るだろう。
「も、もう、だ、誰にも見せんなよ…。」
思ってたより嬉しい理由で近江は怒った。
俺はたちまち嬉しくなって近江に抱き付いた。
「見せねぇよ、お前にだけ見せる。」
「別に俺も見たくはねぇけど…。」
果たして腕の中でおとなしくなってしまった近江と、二人でエッチできる日はいつだろうか。
END.