「Lies and Magic」おまけ、シマ視点の話です。
好きな人と、一緒に暮らす。
それは俺が、ずっと憧れていたこと。
隼人の部屋に来てから三日目。
今日も俺は、隼人の帰りを楽しみに待つんだ。
隼人ー…早く帰って来て…。
隼人ー…早く会いたいよー…。
目が覚めてる間はずっと隼人のことばっかり。
夢の中でも、隼人ばっかり。
こういうの、恋って言わないでなんて言うの??
俺のことまだ好きって思ってもらえなくても、俺は幸せで…そんなことを考えながら今日もこの部屋でいつの間にか眠ってしまっていた。
「…‥シマ。」
あぁ…ドアを開く音がする。
俺の願いが神様に通じたのかなぁ…?
「…ん~…‥。」
身体を丸めて、寝言みたいなことを言って、 時々床の上で寝返りを打ってはまたそれを繰り返す。
「シマっ。」
「…んわぁっ!ハ、ハイっ!」
「そんな格好で寝てたら風邪ひくぞ、何回言ったらわか…‥。」
「隼人っ!」
俺の耳に突然大きな声がして、びっくりしてしまった。
だけどそれが大好きな人だってわかって、俺はたちまち嬉しくなる。
「隼人、おかえり!おかえり、おかえり~!」
ゴロゴロと隼人の首に腕を巻き付けて甘える。
クーラーで冷えきった身体が、隼人の体温ですぐに熱くなっていく。
隼人、早く俺のこと好きになってくれないかな…。
それは夢じゃなくて現実に俺が思っていること。
END.