「LOVE MAGIC」番外編2「メルティング・バースディ




「亮平〜…。」

シロの誕生日を祝った。
いつもよりちょっとだけ豪華なメシとケーキを腹一杯食ったらしいシロは、満足したようにベッドに座っていた俺に凭れかかってきた。
手には、携帯電話を持って。


「へへ…。」
「…ん?」

なんかいつもよりとろんとした瞳してねぇか?
俺の胸に全身を預けて、シロはすっぽり収まる。


「お前もしかして酔ってるのか?コーラで?」
「…ん〜…。」

思わず吹き出した。
こいつ…相変わらずおもしれぇ。
そんなシロは俺の腕を取って、ぎゅっと握っている。
これじゃあ襲ってくれ、って言ってるようなもんだ。
シロ自身はそんなつもりじゃない、っていつも言うし、俺もシロがそんな器用なことできるとは思ってない。
ホントに無意識に俺を誘って煽ってくれる奴だよな…。


「シロ、眠いのか?」
「うん…。」
「そっか。」
「ん…、んっ?」

ちょっと悪戯したくなってしまった。
凭れているシロの後ろ髪を少し上げて、うなじに唇で触れると、その瞬間シロの身体がびくん、と跳ねた。


「寝ていいぞ。」
「え…あ、でも…っ。」

少しだけ唇を滑らせて、今度は首筋は首筋にキスをする。
優しく肌を吸い上げた箇所は、紅く熱くなっていく。


「どうした?シロ。」
「ん…っ、オレ…っ。」

震えながらやっとの思いで俺のほうを向いたシロの瞳は潤んで、俺の情欲を掻き立てる。
顎に手をかけて、貪るようなキスをした。
いつもなら、最初は軽くするのに、どうやら俺も今日はおかしいらしい。
キスをしながら、シロの服の中に手を忍び込ませ、胸の突起を指先で撫でる。
相変わらず敏感なそこは、すぐに丸く腫れ上がった。


「あ…っ、ん…っ!」

早々に我慢ができなくなった俺は、シロの服を性急に脱がせた。
俺の膝の上で一糸纏わぬ姿になったシロの上半身を弄りながら、もう一方の手で下半身に触れた。
早くも緩やかに形を変えたそこを手で包んで愛撫する。
先走りの量が増して、そこの角度も変わってくる。


「シロ、こっちいいよな?」
「や…、やぁ…っ。」
「大丈夫、俺からは見えねぇから。」
「う…、んんっ!」

俺はシロが背を向けていることをいいことにそんないい加減なことを 言って、シロの脚を膝から持ち上げた。
手探りでわかる、後ろの入り口に濡れた指を入れる。
その中は灼けるような熱さで、見えないことが一層興奮させる。


「凄いな、お前の中…。」
「やだ…っ、んっ、言うな…って…っ。」

指の数はすぐに増え、そこからひどくイヤらしい音がする。
喘ぐシロの身体はさっきよりも震えていて、俺と繋がるのを待っているに違いないと思った。


「来てくれよ、シロ。」
「や…、あっ、んん…っ。」
「な?来てくれよ、シロ…。」
「ん…、あ、んん───…!!」

シロの細い腰を両手で支えて、俺は変化した自身をシロに挿入した。
ゆっくりと奥まで沈めて、俺のものがそこに収まると、支えた腰を持ったまま動いた。


「あぁっ、あっ!んんっ!」

二人の全身が揺れる度に、シロの口からは高い声が洩れて、俺まで呼吸が荒くなる。
柔らかい耳朶を噛みながら、揺さ振り続けて、いつもにも増して早く、二人同時に達してしまった。











「ん〜…。」
「おはよう、シロ。」
「…ん、わっ!」
「どした?」

翌朝、俺の腕の中で、眠っていたシロは突然大きな声をあげた。


「オレの服…。」

俺のパジャマの袖を握って、恨めしそうに見る。
その顔は見事に真っ赤で、涙まで溜めている。


「お前も今日仕事休みだろ?」
「うん…。」

3日前に決めたシロの誕生日は休みは取れなかった。
偶然にも俺は今日休みで、シロも合わせることができる日は合わせている。


「んじゃ、今日一日こうしてようぜ。」

首筋の紅い跡をもう一度唇でなぞる。
シロの柔らかい頬にもキスをして、されるのが大好きだと言った額にもキスする。


「な、酔っ払いシロたん。」
「え…??」

どうやら本当にコーラで酔っ払っていたらしい。
可笑しくて堪らない。可愛くて堪らない。
本当のところはきっとその雰囲気に酔ってたんだろうけど。
また来年も、一緒にやろうな。


「シロ、好きだよ。」
「オレも好き、うぅ、でも服…。」

俺が愛の言葉を言うと、シロはたちまちご機嫌になる。
今日はずっとこうしてたい。ずっとくっついてたい。

それで二人で一緒に溶けようか。

甘い、昨日のケーキのクリームみたいに。









END.





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