「魔法がとけたら…」番外編2・おまけ「コール・ユア・ネーム〜another ver.〜」
実はずっと気になっていることがあった。
「シロ。」
俺は世界で一番好きな人間(?)の名前を呼ぶ。
こたつで丸まっているシロは猫みたいで、いや、元猫なんだけど。
その、猫の時に、見た目が真っ白だったから、まんまシロ、って名付けたんだけど…。
「なぁ。」
「ん?」
こたつ布団から身体を出すと、服は皺くちゃ、髪はボサボサで、それを可愛いと思ってしまう自分が可笑しくなる。
「お前さ、前はシロ、って名前じゃなかったんだよな。」
そう、あくまでシロは俺が適当に付けた名前だ。
「うん。‥…あ。」
窓の方を見て、シロは突然立ち上がった。
「亮平!雪!」
「あぁ、どうりで寒いと…‥。」
細い指が差したその先の窓の向こう、
暗闇の中をふわふわと真っ白な雪が舞っている。
はぐらかされたのか?
シロがその窓をゆっくりと開けると、寒い空気が部屋の中に流れ込んだ。
「雪丸…。」
「は?」
「雪丸って名前だった。美幸ちゃんに付けてもらった名前。」
「へ、へぇ〜。」
答えが返って来るとは思わなかった俺は、なんて返事をしたらいいかわからずに、曖昧な言葉を返した。
雪丸か…思ってたよりシブいな。
「まぁ、色白だしな。顔も丸いしな。ぷにょぷにょだな。」
「それ気にしてるのに…。」
窓際に近づいて、その頬を優しくつねった。
本当に音が出そうなぐらい柔らかい。
シロは気にしてるらしいけど、俺はこの感触が好きだ。
拗ねたように膨れるシロが可愛くて、白くて細い手に自分の手を重ねて、後ろから抱き締めた。
「なのにちっとも身体は太らねぇな、お前。」
片方の手をシロの服の中に滑り込ませて、直に肌に触れた。
こいつホントに太らなねぇんだよな。
「だって…‥、ん…。」
振り向いて何か言おうとしたシロの唇を、自分の唇で塞いだ。
「体力もないしな。」
「ん…、んんっ。」
冬の空気は寒いのに、激しく舌を絡めながら深いキスをすると、
その唇から身体全体が、熱くなるのがわかった。
「ん…‥、ぁっ。」
服の隙間からシロの胸の粒を探り当てて、指の腹で撫でた。
敏感なそこは俺がちょっと触っただけで、腫れ上がる。
「ああっん、ん…。」
もどかしそうにしているシロの服を脱がせてやった。
「あぁ、乳首も丸いな、雪丸…。」
「や…だ…‥ぁ。」
「や、なのか?触られんの。」
ぷっくりと丸く立ち上がったその粒を、指で摘んで快感を与えた。
やなはずないのにな。
「じゃなくてっ、名前…、シロがい…。」
────え?
「オレの名前っ、今…、シロだから…ぁっ。」
あ、そうか…。
こいつは本当に俺が好きなんだな。
俺が安易に付けた名前なのに、
俺が、ってだけで気に入ってんのか?
なんでそんなこと言うかな。
止まんねぇだろうがよ。
「シロ。」
「うん、ん…!」
「もう濡れてるな。」
「んっ、あ、あ…。」
後ろから、シロの下半身に手を伸ばし、細い腰を辿って、緩やかに勃ち上がったそこに触れた。
先走りが零れ始めた先端から、全体を濡らしてぬめりを加えて、掌で包み込むようにして擦った。
「ふ…ぁ、ぁ…ん。亮平っ、もう…っ!出ちゃ…っ!」
「いいよ、俺の手の中に…‥。」
「ん────っ!!」
ビクビクとシロの腰が震えて、先走りも量を増し、完勃ちになったそれを、速度を上げて擦り続ける。
俺が合図のように先端を指先で捏ねると、そこから勢いよく白濁液が手の中に放たれた。
「う…‥っ、ごめん、オレなんか気持ちよくって…。」
うわ…。
毎回毎回、なんてこと言いやがるんだ。
瞳の端に涙を滲ませて、謝るシロが愛しくて堪らない。
謝ることなんかないのにな。
「じゃあもっとよくなりたいだろ…?」
俺が後孔に指を持っていくと、シロは無言で頷いた。
「あ、でも…っ、こんな、窓開いてたら…っ。」
「いいじゃねぇか。あの空にいる美幸に見せてやろうぜ。」
「ええっ?…んあっ!」
口を塞ごうとしたシロの手を取って、その夜空に甘い声を聞かせるように刺激する。
幾度も俺を受け入れたその後孔に、指をゆっくり挿し込んだ。
「雪丸は今、幸せです、ってな。」
風と雪が僅かに窓から入って来て、この身体の火照りを冷ますにはちょうどいい。
「んん…‥!あ、あ…!」
シロの放った白濁した液で濡れた俺の人差し指が、その小さな窄まりに挿入されると、体内の熱を直に感じた。
息を乱して、瞼を閉じて、眉をひそめて、必死で俺を感じながらシロは喘ぐ。
何度もセックスしていくうちに慣らされたそこは、俺の指を数本飲み込んだ。
「は…‥ぁ、も、ダメ…‥っ。」
突然俺の指が外れて、ガクリ、とシロの身体ごと床に落ちた。
「なんだ?どうしたんだよ?」
「もう、立ってられない…っ、オレ、また変になっちゃって…。」
慣らされたっつっても反応はいつでも新鮮だよな。
いつでも俺に火ぃ点けるんだから。
「じゃあもうやめるか?」
「やだ…。」
「ん?」
「や…だ…。」
「何が?わかんねぇな。」
「り、亮平の、入れて欲しい…。」
俺は本当に悪ぃ奴だよな。
お前のその台詞が聞きたくてわざと意地悪なこと言って。
悪い、なんて思いながらもいつもしちゃうしな。
「シロ…。」
その純粋で綺麗過ぎる、心と身体の色と同じ名前を呼びながら、俺は自分のものをその体内へ挿入した。
「んっ、あ────っ!」
「痛いか?ごめんな。」
小さくて細い身体で、シロは俺を受け入れた。
こればっかりは慣れるはずないよな。
いっつも泣かせて、立てなくさせて、悪いとは思ってるけど、それ以上に、
その身体に触れて、自分のもんだ、って確かめたいんだ。
俺の我儘なんだけど。
「…‥い‥だ。」
「え?」
「いいんだ…っ、オレ、だいじょ‥ぶだから…っ。」
そんでお前がそういうこと言うから、俺は歯止めがきかなくなるんだよ。
その熱い最奥を、突くようにして、自分のもので弱い箇所を探った。
さっき放ったシロの白濁液と、俺の先走り液が繋がった部分で混ざり合って、ひどく濡れた音が鼓膜まで刺激する。
「う…、ぅんっ、亮平っ、ダメだ、オレまた…っ。」
「なんだ、イきそうか?」
肘で全身と俺を支えながら、
シロは息を乱しながら首を縦に振った。
俺にはその素直で純粋な心が、眩しいぐらいだ。
きっと俺にはお前みたいな奴は相応しくないんだろうな。
「んっ!あ、あ、ん───っっ!!」
その箇所を探り当てて、激しい律動を与えると、すぐにシロは二度目を放って、俺もその後シロの体内に達した。
「シロ、ごめん…。」
「オレ、大丈夫だってば。だって、亮平だけのものってわかるから、嬉しいんだ。」
布団の中で、シロを抱き締めながら、の柔らかい髪を撫でた。
参った。
そんなこと言われたら、どうすりゃいいんだよ。
「亮平が好きだから、亮平が付けてくれたこの名前がいいんだ。」
シロは細い腕に力を入れて俺にしがみ付いて来た。
それにこの名前呼ばれるともっと亮平のものだって思うから、なんて言ったシロが、
その後いつものように立てなくされたのは言うまでもない。
安心しろ。
俺もお前のもんだから。
「シロー。」
「う〜…‥。」
翌朝、目が覚めて、腕の中のシロを起こそうとした。
最近こうやっていつも朝になると俺より早く起きて唸っている。
顔をピンク色に染めて、頬を膨らまして、毛布の端を噛んで。
「なんだよ、怒るなよ。」
仕方ないだろ。
あんなこと言われてやめれる奴の方がすげぇよ。
そんな奴この世にいたら会ってみてぇもんだ。
「シロ〜、シロたん、シロにゃん、こっち向けよ。」
情けないけど、俺はこいつの機嫌取りに必死だ。
今までなら絶対に言わないような甘い台詞を吐いて、俺じゃねぇみてぇだ。
でも、お前に嫌われないためなら、
相応しくなるためなら、俺はプライドなんて簡単に捨てられる。
どんなことだって言ってやるよ。
「シロ、好きだよ。」
背中を向けているシロの耳元で囁いて、頬に軽くキスをした。
「亮平…。」
一番喜ぶ言葉を言うとすぐにシロは振り向く。
───ぐるるる〜…‥。
「うっわお前、色気ねぇなぁー。」
「腹減ったんだもん…。」
俺は笑いながら、もう一度思いを込めて、
シロの耳元に口を近付けた。
今日も、これからもずっと呼ぶから。
美幸のことなんて、忘れるぐらい。
「シロ。」
俺が付けた、俺の大好きな、お前の名前を。
そしたらきっと、お前は最高の笑顔を見せてくれる。
「メシにするか、シロ。」
「うん!」
ほらな。
END
更にどうでもいいおまけ
これは前サイトの時のメルマガで配信したものを
加筆修正(甘い方向に←ダメじゃん)したものです。
サイトには載せなかった、シロの前の名前が出てきます…が!
果たして意味があったのか…多分ないです。
以下は、その時メルマガそのものに書いてあった後書きです。
ちょっとおもしろかった(どこが)んで、そのまま載せてみました。
ちなみに配信時間はほとんど午前中に設定してありました。
第一回目配信時
■ぐぇっ。甘々ラブラブ絶好調、早速エロモード気味です、反省。
第二回目配信時
■す、すいません…。
明るい時間からこのようなメールを…。
第三回目配信時
反省していたのか、ありませんでした。
第四回目配信時
■後書きという名の反省文
うっわぁ…どうしましょう。
最高に激甘です。
亮平、お前いくつだ。(書いてる私もいくつだ。)
でも私、この二人書くのが一番好きです。
あんまり私は自分のキャラ(特に受には)に愛がない人間なのですが、
この、シロに関しては、書きながら亮平でなくともデレデレしてしまうんです。
(気持ち悪いのでやめて下さい。)
しまった、全然反省になってません。
購読ありがとうです。
次回メルマガ小説をお楽しみに〜♪
↑…ホントに反省して頂きたいものです。
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