「ウェルカム!マンション」番外編「マンションの秘密」
俺は翠さんにずっと聞きたいことがあった。
「ここって、なんでマンションなんですか?」
ずっと思ってたこと。
こんなボロいし古いし、とか抜かしてもマンション、って感じじゃないんだよ。
なんでマンション、なんて付けたんだろ…。
「悠真、お前俺の名字知ってるか?」
「…えーと…、早田(そうだ)さん。」
「○○荘って付けてみろ、新聞紙、みたいで変だろ。」
「は??」
っていうかそんなことでマンション、にしたのか??
どうしよう、翠さん、いや、名付けたの翠さんの家族か、すっげー変!
だって早田アパート、とか色々あるじゃん!
なんだってそんな不相応なネーミングにするかな…。
「早田マンション、だとマンションっていう基準に達してないからな、名前そのものをマンション、にしてみた。一番高級っぽいしな。」
「ぷ…、そうだったんですか…。」
おもしろい、この人。
俺が紫堂さんと初エッチした時も魚河岸まで行ったみたいだし。
この人と付き合ってるっていう遥也くんもちょっと変わってるし。
なれそめとかって気になるなぁ…。
「あの、翠さんと遥也くんってどうやって…。」
「ん?」
「悠真くん。」
ぎゃ!噂をすればなんとやら。
なんか苦手なんだよなー、遥也くんって。
感情が顔にあんまり出ないからわかりにくい。
「悠真?」
「あ、なんでもないですっ。じゃあ俺風呂掃除してきます!」
「頑張ってね、悠真くん。」
俺は朝帰りの罰の風呂掃除へ向かった。
どうしよう…、すっごい気になってきた!
二人のこと…。
まぁいいか、いずれ聞かせてもらおう。
とりあえず俺は掃除しないと。
今日は紫堂さんは仕事で遅くなるって言っていたから、気持ちよく入ってもらえるように頑張ろう。
END.
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