「ベジタブル・ラブバトル」番外編「ベジタブル・ラボラトリー」
「なぁ、彩。どう思う?」
「何がだよ、主語言えよ。」
めでたく両思いカップル?になった俺と大樹は、家族の反対という問題を抱えつつもこっそり会ったりして、
まぁまぁそれなりに楽しい生活を送っていた。
日曜の今日もじいちゃんたちの目を盗んで密会、つっても大樹の部屋で昼メシ食ってるだけだけど。
「あぁ、悪ぃ、俺のことならなんでもわかるかと思ってな。」
「お前なんなんだよその自信は…。んで何?」
「野菜って、エッチだよな…。」
「はぁ?バッカじゃねぇ?イキナリ何言ってんだよ!」
どっからそういう発想出てくるんだよこのバカは。
いや、この際発想は出てきても仕方ねぇ。
俺もその…‥キュウリ見て欲情しちまったからな。
だけどメシ食ってる時にんなこと言うなよ…。
そんなこと言ったら…。
「彩がキュウリ食ってるのとか興奮するよな。」
「そんなのお前だけだっ…て、ちょっ、大樹…っ!」
野菜サラダを食っていた俺の手が突然掴まれ、俺はキュウリを咥えたまま、大樹にキスされてしまった。
このキュウリが切ってあってマジでよかった…。
あんまり、状況としてはよくない感じがするんだけど。
「いいだろ?な?彩?な?」
「なんだよ俺今メシ食って…ちょ…んんっ!」
「メシより俺のほうが美味いって、きっと。」
「てめ何言っ…、やめっ、あぁ…っ!」
抵抗する俺の身体は壁に押さえつけられたが、激しいキスはそんな俺の心まで溶かしてしまいそうだ。
唾液が堪らず口の端から漏れて、絡まる舌がイヤらしい音をたてる。
そのまま服を捲られて、首筋から胸へと大樹の舌が這い、先端に触れた時、びくんと身体が跳ねた。
「あとさ、さっきお前が食ってたオクラとかのさ。」
「んん…、あっ、ふぁ…っ。」
「あの粘り気は応用できると思わないか?」
「…っ、何がだ…っ、あ!」
腰の辺りを大樹の手が撫でると、早くも下半身が反応してしまいそうだった。
わざとじゃねぇだろうな、その執拗に撫で回すの。
「だから、エッチに。滑りよくなると思わないか?」
「知らね…っ、んっ。」
「俺野菜成分のそういうの作ろうかと思って。」
「おま…っ、いい加減…っ、や…っ!」
服の上からでもわかる俺の変化した下半身が、下着ごと下ろされて剥き出しにされる。
こんな真っ昼間っからなんでこんな…。
でも無理だ、こんななって我慢なんかできねぇ…。
「あれ?彩?お前のもなんか濡れてるぞ?」
「こ…の、変態…っ!やだって…それ…!」
またしても俺のそれは大樹の口の中に入ってしまい、自分のもんなんか見たくもねぇのに、
あろうことに男に口でされてる
ところなんか見たら、余計興奮すんだろうが!
それだけ俺もこいつが好きってことなんだろうか…。
あんまし、認めたくねぇけど。
「やっぱり俺、お前のこれ好きだな。」
「ふざけ…っ、やっ、あ……っ!」
そんな嬉しそうに人のもん食ってんじゃねぇ!
絶対バカだこいつ、終わってる。
「んじゃ、そろそろこっちも慣らすか。」
「……んんっ!あ…っ!!」
俺は膝立ちになったまま、前は大樹の舌で責められ、後ろは指で責められ、やられっ放し状態だ。
あれから何度かこういうことをして、俺の後ろがいい具合になるまでの時間も確実に縮まっている気がする。
すっげぇ不本意…だけど。
「彩、俺のも食ってくれよ、な?」
エロ台詞を吐いて大樹は下になって、
腰を支えて俺を待つ。
快感で滲んだ視界でもハッキリ大樹の顔がわかるぐらい、近付いて、自ら腰を下ろして大樹のものを体内に沈めた。
「────んん…っ!!あっ、やっ、あ───っ!」
「すっげぇ、彩ん中、とろとろだ。」
「…っ、ふざけっ、やっ、そんな動かす…っ!」
「気持ちいいんだからいいだろ…っ?」
そんな呑気なこと言いやがって、ちょっとはこっちの負担考えろってんだ。
毎回大変なんだからな、時々熱上がるんだからな。
お前にそれがわかる…わけねぇよな。
俺の身体は一層激しく揺さ振られて、もう限界に達してしまいそうで、多分俺からも腰を振っていたと思う。
俺は淫乱か…こんな喘いで、乱れて。
「大樹…っ、…くっ、イっ、イっ────…!!」
「彩…っ、俺も…っ!」
「くっそ…、俺昼メシ食ってただけなのに…。」
汗びっしょりで俺は床に横たわっていた。
息もまだ整わなくて、時々途切れながら大樹に文句を言う。
「ん、まぁそんな気にすんな。」
「気にするだろ…!」
「仕方ねぇだろ、お前が誘うから。」
「は…??」
俺、いつ誘ったっけ??
仕掛けてきたのてめぇじゃねぇかよ。
「だってお前が一人エッチしてんの見てから頭から離れなくて。」
「バ…っ、忘れろよんなの…。」
「あれから毎日あん時のお前思い出してヌいてんだぜ?俺。」
「このバカやろ…。」
そんなことまですんな、例えしてても本人に言うなよ。
何考えて…俺のこと…か??
「きっとこれはな、野菜に含まれるなんかがあるんだよ。」
「そんなわけ…。」
「俺はその研究をしてぇんだ、さっきのオクラのも。」
「お前本気でバカだろ…。」
呆れて溜め息を吐いて大樹の真剣な顔を見上げた。
絶対バカだ、こんなやつに付き合ってやれるの、絶対俺しかいねぇ。
お前が俺に惚れてるみたいに、俺もお前に惚れている。
「な?また二人で研究しような、彩。」
「やっぱ本気でバカだ…。」
笑顔でそんなことを言って俺にキスしてきた大樹を、俺も本気でバカみたいに好きだと思う。
END.
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