「薔薇色☆お姫様」その後の番外編1〜「薔薇色☆誕生日」









「リゼ。リゼ、起きて。」

隣で寝ていた俺の肩をロシュが大きく揺さ振った。
まだ眠いんだよ。
しかも何朝っぱらからそわそわ落ち着きないんだ、こいつは。


「んだよ…‥。」

重たい瞼を擦りながら、瞳を開けた。


「おはよう、マイプリンセス。」
「‥……っん!」

目の前にロシュの顔があって、すぐにキスされた。


「んっ、離せ…っ、ロシュ…。」

なんで毎朝飽きずにキスしてくるんだよ。
しかも調子乗って舌なんか入れんな!
俺はロシュから逃げるように身体を引き離した。


「え〜、いいじゃない、もっとしようよ〜、あ、えっちもする?」
「嫌、だ、離せ…‥あっ。」

パジャマの中にロシュの手が忍び込んで来て、
俺の胸の辺りを撫でる。


「あ…、ぁ。」

ロシュの指先で俺の胸の粒は反応起こして、固く腫れ上がる。
ヤバい、このままじゃ朝からヤるハメに…!


「王子!リゼ殿!お急ぎ下さい!!」
「もうっ、ファボルト邪魔しないでよ、今いいとこだから。」
「何がいいとこだ、どけよっ!」

バァン!と大きな音をたてて扉が開いて、ファボルトが現れる。
俺の身体に絡み付いているロシュの手を振り払った。


「破廉恥なご行為は後にして、お急ぎ下さい。」
「??なんかあんのか?」

ファボルトの奴、いつもより服が高そうだぞ。
まぁいつも高いんだろうけど。


「あ、そうだった、リゼ、早くしないと記者会見に遅れちゃうよ。」
「は?記者会見?」
「今日僕誕生日だから。」
「はあぁ??」

わ、忘れてた…。
まだ俺たち正式に結婚してなかったんだった。
ロシュの誕生日に法が変わるって…。
いや、ちょっと待てよ。


「俺、お前の誕生日いつなんて聞いた覚えないんだけど…。」
「うん。びっくりさせようと思って。えへへ〜。」
「アホっ!!そういう大事なことは言えよ!」

まったく。
ヘラヘラ笑うなっての。
聞かなかった俺も悪いけど、大事なことだろうが。
好きな、仮にも結婚する相手なんだから。
そんな恥ずかしいこと、口には出せないけど。


「さ、お二人共お急ぎ下さい!」
「はーい。」
「あ〜、ハイハイ。」

こうして、記者会見会場へと向かったんだが…‥。








「うっわ、なんだよこの人…!」

会場の裏で俺は慌てた。
カメラと人の山…。
そりゃそうか…、こんなんでも王子で、次期国王なんだからな。


「リゼ殿、緊張しておられるならですね、こう、掌に人と言う字を書きまして…。」

傍らにいたファボルトが、
掌にそれをしながら俺に話し掛けて来た。


「いや、んな緊張はしてねぇけどさ…、あんたよっぽど日本が好きなんだな。」

茶の飲み方も知ってたし、こんなことも知ってるしな。
悪い気はしないよな。
見掛けモロ外人なのがちょっと面白いけど。


「当然ですよ。私の愛する妻の祖国ですから。」
「…えっ!!そ、そうなのか…!!」
「ええ。リゼ殿と同じ日本人ですよ。」
「へぇ…。」

知らなかった…。
ファボルトは珍しく顔を綻ばせて、俺の背中を後押しした。






「あのさぁ、これ、なんだよ…。」

記者会見が終わって、会場から出ると、別の部屋が用意されていた。
薔薇の花で飾られた部屋の中には、豪華な食事なんかが並んでいた。


「これからお祝いなの。抽選で国民も来てるんだ。」
「国民もか?仕事休んでかよ。」

呑気な国だよな。 しかも抽選ってな…。
平和でいいんだろうけど。


「もともと休みだよ。僕の誕生日、国民の休日。」
「はぁ?」

訂正。
呑気通り越して理解不能。
そんで俺、全然知らないことだらけだ。
ここで暮らして行くってのに。


「リゼ、どうしたの?」

まぁ、それはこれから知って行けばいいか。
ロシュも最初は日本のことわかんなかったし。
俺の人生はまだまだ時間はたっぷりある。


「いや、俺、お前に誕生日何もあげてないと思ってな…。」

そんなこの先を考えて幸せそうにしている自分が恥ずかしくて、俺は適当なことを言って誤魔化した。


「う〜ん、じゃあ、一日えっちし放題とかは?」
「アホか!んなことさせるかよ!!」

こいつがまともなこと言うわけないよな。


「ほら、行くぞ。」

俺は薔薇でいっぱいになったその部屋で、ロシュの手を引いて、部屋の中心へと向かった。
浮かれそうな自分をなんとか抑えながら。


「リゼ〜、ダメかなぁ?」
「ダメに決まってんだろっ!」










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